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ジョジョの奇妙な武闘会・7『同人小説』

この小説はジョジョの奇妙な冒険を好きで読んでいる人向けのものです。それをご理解していただいてお楽しみください。


「さすがジョースター家の英雄たち。宿敵の相手が違っても、六人中四人も勝ち残りましたか。では二回戦の対戦カードを発表します。
 二回戦第一試合 空条承太郎対吉良吉影
 二回戦第二試合 東方仗助対ディオ・ブランドー・ザ・ワールド
 二回戦第三試合 ジョナサン・ジョースター対ジョセフ・ジョースター
 それでは早速試合を始めたいと思います」

                                                  ☆

 二回戦 第一試合 空条承太郎対吉良吉影
 闘技場に飛ばされた承太郎は、吉良を見ながら沈黙していた。吉良はやや警戒しながら承太郎を見ている。
 

ディオを仗助は倒せるだろうか。難しいだろうと承太郎は思った。
では、ジョナサンやジョセフではどうだろうか。ジョナサンは止まった時の中で動けるが、まだほんのわずかな時間だけだ。
ジョセフは予知が出来るとはいえ、時を止められては意味がない。
二人とも波紋を使えるのが、少し好条件だが、それでもやはり承太郎自身が、ザ・ディオを倒せる可能性を一番持っている。
大丈夫だ、誰かがやってくれる、承太郎はそう信じるしかなかった。

承太郎「俺は棄権する」
吉良「棄権を認める」
 あっけなく試合は承太郎の棄権で終わった。カーズから受けた腹の傷は、仗助に治してもらっているので、棄権の原因ではない。棄権の理由はジョセフ老が吉良にカーズを倒す協力を求めたときに話は遡る。

吉良「私は承太郎をもっとも恐れている。もし承太郎も私が相手のとき棄権をするなら協力してもいい」
 ジョセフ老は悩んだ。もしかしたら承太郎の力だけでカーズを倒してしまうかもしれない。
ジョセフ老「ならば承太郎の衣服のどれでもいいから爆弾にして持たせてやってくれないか。そして、もしその爆弾を使う合図を承太郎が出したら、承太郎も棄権する。使わなかったら、ジョルノだけ棄権する。この条件でどうだ?」
 吉良は少し考えた。もし使わなければ、その時は承太郎をすぐに爆破してしまえば良い。爆弾を持っていてくれるなんて願ってもないチャンスだ。使えば承太郎は棄権をするという。ならば断る理由はなかった。
 運悪く、承太郎は吉良と当たってしまった。果たして約束を守るべきだったのか。承太郎は一抹の不安を拭い切れなかった。
 二回戦第一試合勝者 吉良吉影

              ☆ 


 二回戦第二試合 東方仗助対ディオ・ブランドー・ザ・ワールド
 闘技場に飛ばされて、仗助はブルっていた。
仗助「今の承太郎さんは五秒間時を止められるらしいが、ディオは九秒も止めれるってよう。反則だぜ、そんなの。しかも射程が十メートルってよう……」
ザ・ディオ「あいつはさっき屋根を元の場所に戻していたな。物を直す能力を持っているのか。もう一人のこのディオ様を消滅させた罪は償ってもらう」
仗助「ともかくよお、日が照っているうちの戦いでよかったぜ。夜だとまったく勝てる気がしないからよう」
 

一回戦の第一試合は午前十二時から始まっていた。試合のペースは早く、まだ二時間も経過していない。季節などの概念がここにあるのかわからないが、冬でも午後の五時までは日が暮れないはずだ。三時間はある。長期戦になろうとも、逃げ回り、ディオが日陰に逃げられる場所をなくせば、何とか勝機はある。仗助はそう考えていた。
 

仗助は素早くザ・ディオから離れ、壁にある武器に近づいていった。光沢のある剣などをクレイジーダイヤモンドで殴っていく。すると、剣は姿を変えて、仗助の身体に引っ付いた。それをドンドンと繰り返し、仗助は鏡のように光を反射する鎧を作り、着たのである。
仗助「これで時を止めても簡単には近づけないだろうよ。それに時を止めて剣を投げられても、ある程度は鎧が防いでくれるって戦法よ。俺って頭いいぜ」
 

ともかく仗助はディオと距離を取るしかなかった。ザ・ワールドの射程距離と九秒間の移動時間を考えると、ともかく逃げまわるしかない。
 仗助は走り回りながら、ディオが遠くにいるとわかった時だけ、柱に近づきクレイジーダイヤモンドデで殴って屋根ごと変形させ、日陰をなくしていった。時を止められてから移動すると、まるでディオの位置がわからないが、そのたびに、外で見ている承太郎が教えてくれる。

承太郎「仗助、右前方に移動してるぜ。反対に回れ」
承太郎の協力もあり、仗助は何とか逃げ続けている。ディオは途中から何を思ったのか、仗助を追いかけることを止めていた。ディオの不敵な行動を不審に思いながらも、仗助は柱と屋根を破壊していく。日陰を半分くらいなくした時だった。だんだんと暗くなっている。見ると、日が暮れかけていた。

ザ・ディオ「日が暮れていることが意外そうだな」
仗助「うそだろ。まだ一時間以上は日が暮れないはずだぜ」
ザ・ディオ「お前のような猿並の脳みそで考えたことなどすぐにわかる。試合開始時間と試合の経過時間だけで、日が暮れる時間を計算していただろう。どうだ、図星じゃないかぁぁ」
仗助「!」
ザ・ディオ「プッチの能力をちゃんと理解できなかったのか? あいつは時の進みを早めて、高速の時の中で動く。あの試合で太陽が何度も回っていたのを覚えていないのか」
仗助は言われて、気がついた。日が照っている時間で終わっていたから、忘れていたが、プッチの能力のため、もう第一試合からもう何日も経過しているのである。時間がずれていても当然だった。
ザ・ディオ「さて、無駄な追いかけっこもせずにすみそうだ。日が完全に暮れたぞ。ちょろちょろ逃げるドブネズミらしく、踏み潰して殺してくれる。ウリィィ」
 

仗助は暗くなった空を見上げ、覚悟してディオを待ち構えた。ディオが油断して時を止めなければ、万が一に勝てるかもしれない。
 

だが、ふっと気がつくと、無数の石つぶてが仗助の体にぶつかり、剣や斧など作った鎧があったとはいえ、かなりのダメージを負ってしまった。
ザ・ディオ「勘違いするなよ。別に夜を待たなくても、お前なんぞ倒すことはいくらでもできた。ちょっと遊んでやっただけだ。生き返って気分がいいんだ。まさにハイって気分なんだよぉぉ」

ディオが時を止め、仗助に近づいていく。その姿をジョナサンと承太郎だけは認識している。八秒、ザ・ワールドの右腕が仗助の胸を貫いていた。クッと見ていた二人は歯を食いしばった。九秒が経過したがまだ時は止まったままである。十秒、十一秒。
ザ・ディオ「十二秒が限界か。ジョースター家の血はやはりいい」
 ディオはそう言って高らかに笑った。ディオはジョリーンの血を吸ったため、十二秒時を止められるようになっていた。
 二回戦第二試合勝者 ディオ・ブランドー・ザ・ワールド

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