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Clubhouse狂騒曲とメディア論~Clubhouseに熱狂する人~

話題になって3日目くらいにClubhouseのアカウントを作った人間が言うのもなんですが、3,4日ほど使ってみて、なんとなくわかってきたことを書く。

①Clubhouse(CH)に熱狂する人の傾向

こういう新しいサービスが出ると、アーリーアダプターが出てくるが、これは情報感度に基づくので、とりあえず新しいものに手を出す人は一定以上のFBやyoutubeやインスタやらを使っている。その人たちが新しいサービスにどれだけ可能性とビジネス性を見出すかどうかは別にして、とりあえずやってみようという人がやっている。

で、その中で熱狂している人は、youtubeでもインスタでもTwitterでもすでに一定以上の人気やフォロワーを持っている人たちだ。

この人たちは、新しいサービスとしてこのCHでも一定の発言力を作っていきたいと思う。そのため、とりあえずチャレンジした後は、フォロワー数を伸ばすべく、自分のルーム(youtubeで言えばチャンネルだろうか)を作り、フォロワーを伸ばそうとしている。それが将来的にマネタライズするのではないかというところもあるのだろう。

しかし、本当に熱狂している人は、その有名人ではなく、「その人を利用して自分のフォロワー数を伸ばそうとする」人の方だというのが見て取れる。

CHの最大の理由は、例えばyoutubeチャンネルで言ったら、その有名人のフォロワーは増えるが、それに取り巻く人にとっては何の利益にもならない。Twitterでもそうだ。

ところが、このCHでは、有名人とトークルームをしていることによって、有名人と話をしている人のフォロワーも増えていく可能性が強い。というよりそのためにあるようなものである。なので、よくわからない怪しい人が著名人を招いたり、人が寄ってきそうなルームを作っているような事例を数多く見る。それはなぜかというと、フォロワー数が今後CHにおいてビジネスになったり、CH外のビジネスになるだろうということを本能的に見抜いているのだろうと思う。有名人の人を誘って、とりあえずルームを作ることによりフォロワーが増えることを狙っている人が多い感じがする。


② CHの今後のビジネス展開

これは既にいろいろな分析が出ているが、

(1)広告費で稼ぐ
(2)参加者(ルームを作る人、聞く人)から使用料を取る
(3)有料の参加者を集めた人に金を払う≒youtubeみたいな感じ
(4)アーカイブを残すときに金をとる

くらいしか、金を稼ぐポイントは見当たらない。

なんとなく感じるのは(1)と、(2)のルームを作る人と(3)のハイブリッドで、youtubeのように一つのチャンネルのような形でやるのではなく、複数の人でイベントを創り、そのイベントに対して入り込んできた人たち(広告とか見ないと入れない)の数によって報酬がもらえる仕組みを作るとかだろうと思う。どれだけイベントに誘客したかによって、ルーム制作者に按分されるようなことなのだろう。

どのみち、CHはこれからの拡大のためにはキャッシュポイントを作らなければならない(はず)。ラジオのようなスタイルだとスポンサーがつくが、そのような仕組みにはなりにくいのであれば、モデレーター次第で面白いチャンネルが残る。ただ、そのモデレーターが誰が優秀なのかを、現在の状況では判断するすべはない(個人的には既にこの人はダメだろうというのは見えているが)。となると、聞く人がモデレーターに対してイイネ的な評価をするような機能ができるかもしれない。そこでダメな人は一斉に淘汰されるかもしれない。


③CHに対して過度な期待をするメディアの悲哀

さて、話は変わって、このCHに期待を持っている人は、意外とネットメディアの人のような気がする。しかし、この人たちは本来やっていたネットメディアのビジネスモデルが崩壊するという危機感からCHを取り組んでいる人と、新しいチャネルができたと気軽にやっている人が半々のような気がする。

何しろ、無料で(うざったらしい広告もなしに)、有名な人の話を聞ける機会が増えるわけである。有料のnoteとも違う。これはある意味、メディアを活用して食べてきた人からして脅威から何でもない。その人たちがなぜかCHをつかって、これは可能性があると喜んで使っている。

ただ、CHにとっての弱点はまだまだ多い。ライブ感の楽しさ、秘密感があるドキドキ感は面白いが、アーカイブができない、広められない、キャッシュポイントが作れないというのは前者2つを上回るデメリットである。ビジネス的には。マーケティング的にこのCHに対して疑問を抱く人は多い。

メディアがやることは、知識(記事)の蓄積、多くの人への拡張性、そしてビジネス(お金をもらう対価として)的に、信頼性の有る情報を発信することだ。その人たちが、井戸端会議という、信頼性もあるのかないのかが入り乱れ飛ぶであろう無料のフィールドに対して「おもしろい」というのはよくわからない。ただ、その人が相当自信があり、無料のフィールドでも自分のところに聞きに来てくれて、途中で聞いたら何も訳も分からないラジオ番組の劣化版みたいなルームに対して「面白さ」を感じれくれると思っているのであればそれはちょっと浅はかだと思う。

トークショーというのは、しっかりしたモデレーターがいて、どんな話でも、うまく広げて、そして途中からでも楽しめるように持っていけるものである。果たしてこの状況で、そういう人は生まれるのか。(やってる人は楽しそうなので逆にそれが落とし穴である。コメント機能が無いから、そのトーク者に対してマイナス評価もすることができない。マスターベーション的な語り合いを気化されたら退出したらいいのかもしれないが)

CHの創始者としては、有名人にいろいろな人が群がり、そういった「ここでしか聞けない話」部屋が乱立するのではなく、しっかりしたモデレーター(この人は有名人でなくてよい)が現れ、その人が、誰が聞いても楽しいルームをたくさん作って楽しめる(そこでキャッシュポイントが現れる)ような状況を想定していたのではないかと思うのである。

その昔伊集院光のOh!デカナイト聞いていたり、オールナイトニッポンを聞いていた人からしてみれば、いつのタイミングからどう聞いてもある程度面白かったこと、ある程度時間が決められていて、この時間聴いたら内田有紀の夜空にユーキッスだ、とかデーモン閣下と大槻ケンジさんのじかんだ、とかいう方が一定の参加者を集められると思うのだが、時代が古いのだろうか。

ちなみにユーキッスはほぼ毎回聞いてました。

ただ、3人以上の人が話していると、最初のテーマから逸脱するので、離脱率とか半端ないような気がするのだけど。


関係ないけど内田有紀の写真集かつて買ったな。どこいったのだろう。


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