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サプリによる健康被害

小林製薬の紅麹を使用したサプリメントによる重大な健康被害が発覚して問題となっています。
「体に良い」と思って飲んでいたものが、まさか体の不調の原因だったとは気づかなかった人たちは多くいるのではないでしょうか?

私も実は、同様な経験を最近しました。恥ずかしながら少し前から顔に気になるシミがあって、なんとか薄くしたいと思い、昨年の初夏頃から美白に効果があるというビタミン剤を購入して数ヶ月飲み続けました。
大手の製薬会社の製品で、怪しげなサプリと違って成分の分かっているビタミン剤だから大丈夫だと思って、飲み忘れのないように記録をつけながら規定の数の錠剤を毎日飲み続けました。
2~3ヶ月した頃から、手足の皮膚に時々発疹がでるようになったのですが、その時はそのビタミン剤が関係している可能性には全く思いつかず、何だろう?と首をかしげたものの、痒みもなかったので少し様子を見ることにして、ビタミン剤はそのまま飲み続けていました。

ある時、手のひらに小さな水ぶくれまで現れて、さすがにこれはおかしいと感じて、手足口病みたいな感染症だろうか?などと心配になったりして、やっぱり病院に行ってみようかと思い至りました。
受診前に、自分の発疹に近い症例を調べているうちに、「薬疹」という可能性が出てきて、思い返すと発疹が出る数十分前にビタミン剤を飲んでいたことにようやく気づきました。

そのビタミン剤のパッケージに同封されていた注意書きをきちんと読んでみると、「発疹等が現れた場合、使用を中止して医師に相談すること」と記載してあったので、これかも!?と思い、もしそれが原因であれば飲むのを止めたら発疹は治るだろうと、使用を中止して1週間くらい様子を見ました。

その後、発疹が新たに現れることはなかったのですが、それまでに出ていた発疹がなかなか消えないので、念のために皮膚科の病院に行って相談したところ、そのビタミン剤に含まれているビタミン類が発疹の原因とは考えにくいものの、使用を中止した方が無難だとのアドバイスを受けました。
私の手足に出た発疹は、医師の見立てだと感染症で出るタイプではないとのことで、そちらも安心しました。
(気を揉んでないで、もっと早めに受診すべきでした。反省・・・)

その後、時間が経つと共に発疹の跡も薄くなり、今ではほとんど分からなくなっています。逆に、顔のシミはまた濃く戻ってしまいましたが・・・、健康の方が大事です。
ビタミン剤に含まれているビタミン類が発疹の原因でなくとも、ビタミン類を錠剤の状態で安定に保つための添加剤などが、私の体に合わなかった可能性があるのでは、と考えています。(比較的気付きやすい、手足の「発疹」という症状が出て体の異変を早めに感じとることができたのは、今思うと不幸中の幸いでした)

こうした経緯で、ビタミン剤やサプリメントなどに頼るのはできるだけ避けようと心に誓ったのでした。
そして「人生は塞翁が馬」と思うことが、今回の紅麹サプリ事件で・・・。

私もLDLコレステール値が高めであり、食事などのコントロールに苦労している1人です。昨年の秋頃、ドラッグストアに立ち寄った時に『悪玉コレステロールを下げる』と宣伝しているサプリが目に入り、ちょっと惹かれたのですが、その少し前にビタミン剤によると疑われる発疹を経験して懲りていたので思い直し、そのサプリを棚に戻しました。
そう、、、それが今回問題になっている小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」だったのです。丁度その時期に、健康被害をもたらした可能性の高いロットが売られていたので、もし買っていたら本当に危うかったです。

自覚症状が出にくい腎疾患だと、病状が進んでから気づくケースが多くて手遅れになった方々がでてしまったのではないかと思います。体調の異変を感じても、「紅麹コレステヘルプ」が原因だとは思いもしなかったのではないでしょうか。
大手製薬会社の製品であること、国の認可があるかのような紛らわしい「機能性表示食品」(注)として売られていることで、信頼して購入した人が多いのではないかと思います。

(注)「機能性表示食品」とは、「事業者の責任で、科学的根拠を基に商品パッケージに 機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品」であり、国は一切審査を行っておらず、その科学的根拠についての信頼性は高くありません。

今回、死者が出るなどして騒がれなければ、ずっと自分の体調不良の原因がそのサプリだったとは分からずにいた人たちが大半だろうと考えると、怖いですね。

小林製薬の製品に限らず、他にもまだ発覚していないサプリ等の健康被害がいくつも潜んでいる可能性があります。少なくとも、実態以上に信頼があるかの様に誤認させる「機能性食品」表示の制度は見直した方がいいと考えます。


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