カタセ

くれる座 という劇団の主宰をしています。 言葉と色彩、シルエットをこよなく愛します。 …

カタセ

くれる座 という劇団の主宰をしています。 言葉と色彩、シルエットをこよなく愛します。 エッセイのような短めの小説をメインに、人と人との関係性や交わりについて、ゆるりと綴ります。 twitter : https://twitter.com/katasea_

最近の記事

悲しみをかぶるぬくもり

やるせなさと、微かな動悸が響いて、どこにも焦点が合わせられない、どこにも落ち着いていられない気がした。とにかく人混みから離れて、自室の布団のなかに潜り込んで全てをシャットアウトしてしまいたかった。 どうしてこうもいやな生き物なんだろう。 最近、ようやく乗り越えられそうな気がしていたのに。概念におびえることほど、ばからしいことはないって、わかっているのに。 わけがわからなくて、涙が出そうだった。 それ以外の発散のしかたが、わからなかった。 表層だけとりつくろえればいいのか

    • 核心をかすめる、その瞬間のために

      先日、ふと連絡を入れた友人と、そのままの勢いで合流してスペイン料理を食べに行った。 出会った4年前、彼はすごく怖かった。 フレンドリーだったし、喋りやすいタイプではあったけれど、 彼の自分の能力と熱意、努力に対する圧倒的な自信、その自信からくる前のめりな圧と、目の前の相手を試すような視線が、私にはどうしても耐えられなかった。 そんなわけで、大して仲良くなるわけでもなく、連絡を取らなくなって2年が過ぎた頃だった。 彼から

    悲しみをかぶるぬくもり