【ライブレポ】支えるということの価値~2019.03.05 めざましライブ@両国国技館

卒メン抜きのシングル集

バスラ4DAYSの余韻も冷めやらぬ2019年3月5日。めざましテレビ25周年記念ライブに乃木坂46が出演した。

当日の出演メンバーの事前アナウンスはなかったため、舞台を間近に控えた個人的推しの井上小百合が出るか心配しながら会場へ向かった。

当日の出演メンバー(50音順)

秋元真夏、生田絵梨花、伊藤理々杏、井上小百合、梅澤美波、大園桃子、久保史緒里、齋藤飛鳥、桜井玲香、佐藤楓、白石麻衣、新内眞衣、星野みなみ、堀未央奈、与田祐希、渡辺みり愛

卒業済みの西野七瀬はもちろん、2月14日に卒業を発表した衛藤美彩も不在。
さらに斉藤優里・高山一実・松村沙友理・山下美月もおらず、アンダーから入ったのは久保と渡辺だった。

16人構成でのライブは久しぶりではないだろうか。かなり新鮮に感じた。


続いてセットリスト。(カッコ内はセンター)

Overture
01. 裸足でSummer(飛鳥)
02. 逃げ水(大園与田)
03. 制服のマネキン(飛鳥)
04. 何度目の青空か?(生田)
05. 君の名は希望(飛鳥)
06. シンクロニシティ(白石)
07. ジコチューで行こう!(飛鳥)
08. おいでシャンプー(与田)
09. ガールズルール(白石)

なんというか、非常にはっきりしたセトリである。

すべてシングルだが西野がセンターないしWセンターの曲はゼロ。
『ハルジオンが咲く頃』、『サヨナラの意味』もなし。

つまり、卒業したメンバーのセンター曲を外したシングル集。
生駒里奈センター曲は例外的にライブ定番の重要な3曲をやっているが、これは既に生駒が卒業していた2018年の「真夏の全国ツアー」も同様であった。そして堀はいたのだが『バレッタ』は外れている。

現状の「西野後」のライブはこうなるということなのだろう。
飛鳥を中心に白石と生田がガッチリ両脇を固め、よだももくぼした梅の3期5人が躍動する。
それが今の乃木坂。そう感じた。

このセトリなので当然大盛り上がりで、結論から言うと非常に楽しいライブだった。なかなかこのサイズの箱で乃木坂を観られる機会もないので純粋にメンバーが近くにいて嬉しいということもあるのだが。

乃木坂のファンだという堤礼実アナが袖で楽しそうに踊っている姿がもの凄く可愛かった。

大園はいつもながらライブになるとキラキラしていて、その意味で西野を彷彿とさせた。また、今回の選抜入りではなかなか前に出るタイミングの少なかった理々杏と佐藤も上手に馴染んでいたように思う。


ただこの日は西野卒コンの直後また松村と高山が不在とあって、嫌でも近い将来の乃木坂の姿についていろいろと考えさせられてしまった。

その目線で見ると、気になったことがある。
それは楽曲でのポジション。

卒業生の位置に3期生を入れて埋める。それが今の運営の基本的な考え方のようだ。
オリジナルメンバーは原則元の立ち位置。飛鳥だけが例外で『マネキン』でセンターを務めるなど、当時とは全然違う良ポジに入ることが多い。
メンバーもファンも思い入れがあるので、それに意味のないとは言わない。ダンスの振りを入れ直さなくて済むという利点もある。

ただ、本当にそれでいいのか、と。

誰かを支えることの価値

かつて『スラムダンク』の「沢北がいなきゃどこでもエース張れる男」こと山王工業・松本になぞらえて「よそに行けば全員センターを張れる」と評され、乃木坂の層の厚さを目に見える形で示していた「最強の3列目」。
例えば13thシングル『今、話したい誰かがいる』の時は、生駒・松村・若桜・さゆまりというまさに最強の布陣である。

生生星を支え、御三家を支え、西野を支え、飛鳥を支え、3期を支えてきた彼女たち。
この日の出演メンバーで言うと、井上・桜井・新内。
主に2列目を任されるメンバーの中でも秋元や高山、それに星野や松村(ふたりはかつて支えてもらった側だったが)もそれに含まれるかもしれない。

長い間フロントメンバーを支え続けてきた。その彼女たちにもっといい目を見せてあげてもいいんじゃないか。

そう思ったのだ。

こんなことを言うのは自分の推しが3列目固定の井上小百合だから、というのは正直大いにある。だがそれだけではない。

井上はむしろ3列目固定メンの中では恵まれている方だ。アンダーにいた時期に橋本奈々未の代役を務める機会が多く、最近のライブでも『気づいたら片想い』『何度目の青空か?』『命は美しい』『裸足でSummer』では基本フロントに立っている。

これがファンにとって、どれほど嬉しいことか。

だがこの日のライブとこれまでの流れから考えると、なんだか近い将来「じゃあ4期も上手いこと支えてね~そういうの得意でしょ?よろしく~」と言われそうな予感でいっぱいである。

それはあんまりじゃないか?と。

一度脇役になったらずっと脇役のまま、そんなグループには夢も希望もない。

衛藤は最初脇役(3列目)にもなれなかった。そこから這い上がり、福神常連になり、シングルのフロントまで来た。だから彼女の道行きはアンダーメンバーの希望なのだ。

しかし彼女以降で叩き上げ感を与えるメンバーは登場していない。

序盤でついた序列を覆して人気を博したという意味では恐らく梅澤も該当するが、彼女はあっという間に福神に抜擢され「支える」役割を果たす機会が乏しいまま選抜のフロントに立ってしまった。彼女の持つ男前キャラクターを考えると、3列目から階段を上っていく方が似合うし幅広く支持を得られたような気がするのだが。
まあこれは余談である。

ずっとフロントメンバーを支えてきた先輩たちが良ポジションを勝ち得る。
つまり与えられた場所で懸命に努力すれば、いつか報われる時が来る。

それはきっと現在アンダーにいるメンバーたち、4期生が合流し大きな危機感を持っているであろう彼女たちにとっても大きな励みになるはずだ。


書いているうちにライブレポではなくなってしまったので、今後の展望については次の記事に譲りたい。

(2019年03月21日)

追記

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激動の年となった2019年の乃木坂46を、筆者自身が現場で見聞きし感じたレポートを中心に描き出します。

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