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カタリバのオンライン探究プログラムを放課後に。テーマが決まらない高校生も手応え

年々、公立高校数は減少の一途をたどっており、この10年間で243校が統廃合になっています(*1)。また、とりわけ人口減少が加速する地域では、これまでのような部活動の設置が難しくなっている高校もでてきています。学びの機会を保障するには、遠隔授業等のオンラインを駆使した教育条件の改善や(*2)放課後における学びをアップデートすることが重要だとされています。

カタリバオンライン for Teens(以降、カタリバオンライン)では、オンラインを活用し、全国の高校生が地域・学校の枠を超えて繋がり、「探究活動」の学びを深めるサポ―トを行っています。

今回、カタリバオンラインは、放課後の新たな試みとして、愛媛県立丹原高校と連携し、1人1台端末を活用した対話的な学びを実現するプログラムを実施しました。

丹原高校は、愛媛県西条市にある1学年あたり約100名の全日制高校で、令和8年度より近隣の高校2校と合併し、2つの高校として新たなスタートを切る予定です。

丹原高校では、主体的な探究活動を行う上で、探究テーマの自分ごと化が大切であると考えています。しかし、その実現には課題感があり、その原因の一つとして生徒自身の経験に基づいた探究テーマが発見できてないからではないかという声もありました。生徒がマイテーマ(*3)を見つけるためには、1人ひとりの感性や経験が違うため、一斉指導だけでは不足感があり、また、同級生だけで話をしても多様な意見が出てこないという課題がありました。丹原高校の先生より、もっと多くの生徒が探究活動の面白さに気づいて、次の一歩を踏み出すきっかけを得て欲しいというお話があり、今回のプログラムでは「マイテーマの見つけ方」というコンセプトで実施しました。

▲放課後プログラムに参加する生徒の様子

今回の放課後プログラム「マイテーマの見つけ方」には、高校1年生から3年生までの計13名が教室から各自のタブレット端末から参加し、自分と異なる背景の大学生・社会人との対話を通じて、マイテーマを可視化しました。

プログラムではまず、マイテーマを見つけるヒントを得るために、探究活動を高校生のときに実施した経験がある大学生をゲストに呼んで、経験談を聞いた上で、各自の過去の経験や感情、好きなことや夢中になれることをオンライン上のワークシートに書き出しました。その後、3⁻4名の小グループに分かれて、大学生の経験談への感想や自分自身の経験について、自分と異なる背景の大学生・社会人と語り合いました。語り合うことを通じて、自分自身の経験・感情を客観的に捉え、マイテーマを言語化することができました。

参加した高校生からは「丹原高校がなくなってしまうのは寂しいので、何かやりたいという漠然とした思いはあったが、オンラインで大学生と話すことを通じて、マイテーマに気づくことができた。」という感想も聞こえてきました。また、地域を活性化していくという同じような夢を持つ全国の高校生とオンラインで対話する機会があるともっと良いのではないかという意見もありました。

今回の企画を推進した先生からは、探究活動が面白くなり、どんどん進めていくようになるには、自分ごとに感じられるテーマに気づくことが大切であり、参加した生徒の満足度は非常に高かったという評価をいただきました。また、今後、探究活動を進める中で、生徒がつまずくポイントは十人十色なので、そのポイントに応じたカタリバオンラインのプログラムがあることは大変ありがたいと感じているという声もいただきました。

カタリバオンラインでは、「マイテーマの見つけ方」をはじめ、高校生の探究活動でつまずきやすい点に応じて、定期的にオンライン学習プログラムを提供しています。また、9月より放課後の時間帯においてもプログラムを提供し始める予定です。

各生徒の進み具合や状況に応じて、もう少し探究活動を伸ばしていきたいと思っている高校生や先生がいれば、まずはどんなプログラムがあるか以下のプログラム一覧より確認してみてください。
https://katariba-teens.online/category/program/

なお、本記事でご紹介した「マイテーマの見つけ方」は、7月より毎月実施予定です。
【7月10日開催】自分だけの『マイテーマ』を見つけよう~進路や探究にもつながるキーワードとは?~
https://katariba-teens.online/mytheme240710/


▼教員・教育関係者の方へ、お問い合わせはこちら。
https://katariba-teens.online/teacher/

▼中高生の方へ、無料の会員登録はこちら!
https://katariba-teens.online/register/

*1 令和3年3月 文部科学省 初等中等教育局 参事官(高等学校担当)付 『高等学校教育の現状について』
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kaikaku/20210315-mxt_kouhou02-1.pdf

*2 令和5年9月 中央教育審議会初等中等教育分科会高等学校教育の在り方ワーキンググループ『高等学校教育の在り方ワーキンググループ中間まとめ』
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/091/toushin/mext_00021.html

*3 マイテーマとは、探究学習の文脈において、自分ごとになっているテーマを指します。

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