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新コレクション「play field portrait」の背景

Open SeaでのNFTコレクション「play field portrait」https://opensea.io/collection/katappopfp」について


通称"katappo pfp"は、ストリートに生きる少年のらくがきをイメージしています。
かつて当たり前のようにしていた路面のチョークのイタズラ書き。いつのころからか街から消えてなくなりました。
幼い頃に使った、蝋石やチョークは、どこへ消えたのでしょうか。

都市化が進むにつれ、空き地や道路や壁面は公共性が強くなりました。誰でも遊んでいい空間は狭まり、そして消失し、いつの間にか整備された公園や駐車場にその姿を変えました。誰もが遊べる場所は、誰かのものへと変容してしまいました。

かつて自宅前の道路いっぱいにチョークでお絵描きした経験はありませんか?私は夢中になって描いていたことが忘れられません。今でも公園の砂地に気まぐれに描いては、足で掻き消しています。道路は、どんな子どもでも、思うままに大きな絵を描ける空間でした。

アメリカ人フォトグラファー、ヘレン・レヴィットの作品集「IN THE STREET」には1938年〜1948年にかけて撮影された、ニューヨークに生きる子どもたちの落書きなどが収められています。区画化され都市化する手前の、雑多な時代。裏路地で屈託なく生き生きと遊ぶ子どもの様子が思い起こされます。


都市化が進み、居場所の狭くなった子どもの心情を私は度々想像することがあります。それは、自身のインナーチャイルドの記憶なのかもしれませんし、過度に潔癖な現代の子どもの様子を見ているせいかもしれません。あまりにも窮屈な暮らしに慣れた子どもたちは不自然なほどに行儀が良く感じます。

壁への落書きは時として忌み嫌われる存在です。ですが、近年アートとして見直されつつある作品もあります。何者にも囚われない、自己表現。グラフィティのかっこよさ、爆発するエネルギーに憧れながら、私はこのコレクションを描き続けました。

カラスとフクロウの少年は、清潔で空虚な子ども時代を生きる子どもの別の姿です。彼らは、なかなか明けない夜を生きる「未明」という私の作品の登場人物です。(この作品はまた折を見て発表していきたいと思います。)

彼らがもし、自己表現として、壁に街の人物を描きつけていったら…?そんな想像とともにこのPFPコレクションをお楽しみください。誰にも縛られない、どこにもない世界。ここは彼らのplay field(遊び場)なのです。

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