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アイコンはインターネットでの顔だと思う

  snsのアイコンというのは非常に興味深いものである。二次元のイラストをアイコンにしているやつは大抵ボカロ好きだし、パチンコのジャグラーを打つと公言している女の子は実写の自分を堂々と載せる。そんなのあたりまえのことじゃないかと言われればそれまでなのだが、私のような小心者にとって自分の写真を撮ってアイコンにするということはリスクの塊のような行動に思える。だから誰かに強制されるわけでもなく自発的に設定するアイコンの画像は、やはり本人の内面をそのまま吐露したようなものになるのだなあと毎回感心させられるのだ。


 
  もちろんそのsnsの持つ性質によってどんなアイコンを設定するかは変わるだろう。Instagramは実写アイコンにし、Twitterではアニメアイコンを使うという人だっていくらでもいるはずだ。人間は多面的な生き物だから、その場の雰囲気に合わせて被る仮面を変える。けれどもやはりそこには本人の趣味嗜好が表れていて、人間というのはかくも千差万別なものなのだなあとウィンドウショッピングのような気持ちで眺めることができる。星の数ほどもあるsnsのアイコンひとつひとつの裏側に人間がいて(或いはbot)、そこにそれぞれの物語があるのだ。


  
  そういうわたしはどうなのかというと、大抵無難な拾い画のアイコンに設定してしまうことが多い。出会い系アプリでも絶対に自分の画像は載せないし、実写が必要になればそれっぽい画像を拾ってくることにしている。だからsnsのアイコンや名前をセンスあるものに設定できる人を私は密かに尊敬している。snsのアイコンや名前を考えるという、どうでもいいといえばどうでもいい作業に独特のセンスを発揮できる。それは洋楽好きのやつみたいになんというか、強く主張はしないけれど本人のオシャレさが滲み出ていることのように感じられるからだ。いつかは私も自分のことを端的に表せる気の利いたプロフィールを作れる人間になって、アイコン鑑定士一級を堂々と名乗れるようになりたいものである。

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