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第10回「刀屋さん見学会」レポ

昨日第10回刀屋さん見学会を、原宿にある「霜剣堂」さんにて行いました。

参加者は私除き4名でした。
時間前に到着される方が多く、一足先に店内に入りお茶を頂きながら雑談。
参加者が揃うと部屋を移動していよいよ見学会スタート!

早速お店の方が人間国宝である宮入昭平(行平)氏作の現代刀を用いながら、刀の持ち方、鑑賞の仕方(姿、刃文、地鉄の見方)を教えて下さいました。

流石に地鉄がとても精美で刃もとても冴えていて美しいです。
宮入行平氏は志津や清磨の作刀を研究されたようですが、この刀は清磨を写しているような印象を受けました。

人間国宝であった故・宮入行平氏による作


参加者の方も順々に刀を手に取り教えて頂いた鑑賞の仕方を実践していきます。

所作が既にとても美しいです。
このように腕を前に押し出して刀身を体から離すと姿が捉えやすくなります。
初めての手に持って刃文を見た時の第一声は「すごく綺麗…」
なんとここに来る前に「かえってきた堀川國廣」展を見て来られたようです。
アクティブすぎます…!
刀を見ながら気になったことをその場で教えて頂く姿も見られました


一通り鑑賞の仕方を学んだ後は、刀の健全さを見るポイントの解説が。

茎付近には沢山情報が隠れているんですね!


その後は少しづつ鑑賞刀の時代を遡っていき、姿や刃文の変化を楽しんでいきます。

鑑賞しているのは末相州の総宗(室町時代)の刀。
片手打ちサイズで片手でも簡単に触れるサイズです。
戦国時代の形がとても現れていますね。
小ぶりながら反りの深い姿、そこに覇気ある皆焼刃が相まり個人的にもとても気になる刀でした。
刀身の倶利伽羅龍の彫も非常に細かく彫られています
武士が好んで刀身に彫った八幡大菩薩。戦神に対する強い信仰心が伺えます。
相州住総宗(ふさむね)作

現代刀から始まり、虎徹や長義、行光などを経て、最終的にはなんと古備前始めたとした平安時代のものまで…!
流石に腰反り姿がとても優美です。

見学会にも関わらず沢山の名刀を見せて下さりとても嬉しかったです。
皆さん次々と出て来る名刀の数々にとても興奮状態で途中歓声が上がるほどとても喜び楽しまれていました(勿論私も!)

普段私もある程度刀を見慣れていると思っていましたがそれでも刀に圧倒されどっと疲れました。
刀を手に取って見ている時はアドレナリンが出ているので疲れを感じないのですが、見終わると後から疲れが来ます。

見学会も終盤になると、店内の展示された刀で気になる刀を参加者の方がお店の方に直接話して出して頂くなど、各々楽しんでいる様子も伺えました。
1人でお店のドアを開けて、店員さんに声を掛けて、刀を手に取り見せて頂く…私も昔色々なお店でトライしましたが一連の流れは当時から非常にハードルが高く感じました。
そうした刀を手に取るまでのハードルが見学会を通して低くなったと言って下さる方もいて、開催して良かったと心から思います。
刀の本当の魅力はやはり手に取って初めて分かります。

大阪丹波
真剣な眼差し

16時ごろ私だけ都合により帰りましたが、参加者の方は引き続き楽しまれているようでした。
そして見学会の途中、なんとアメリカで研ぎをされている方がお店にいらっしゃって、ご自身でチョコも作られているとの事で参加者全員で美味しく頂きました。
実は以前彼と連絡を取った事はありましたが、直接お会いした事は無かったのでまさかのタイミングでお会い出来てよかったです。
風味豊かでとても美味しいチョコでした^^


尚、今回会場となった原宿店は霜剣堂さんの本店になり、毎年1月とGWに大規模な展示即売会が開かれています。
今回見学会で拝見したような名刀から、数万円台の安価コーナーまで店内にずらりと確か250振程度並んでいたと思います。
私もこれが1年の楽しみになっている状態でして…いよいよ来週末に迫った展示会にどのような刀が並ぶのか待ちわびています…!

刀屋さん見学会は定期的に行っています
開催時は私のTwitterにて募集を掛けていますので、気になる方はフォローしておいて頂ければと思います。


今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。


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