見出し画像

刀にも色々なターンテーブル

「ニセモノに引っ掛かりたくないならば、上のランクを狙え」

これは「ニセモノはなぜ人を騙すのか(著:中島誠之助)」に書かれていた内容である。
これが非常に共感し得る内容だったので勝手に紹介したい。
(そのまま引用しているわけではなく要約しています。なるべく同じ意になるように書いているつもりですが、少しニュアンスが変わっていたら申し訳ありません)

(以下より↓)

骨董というのは本物を芯棒にして回っているが、その芯棒には様々なランクに応じたターンテーブルが階層ごとにいくつも回っている。
各々のターンテーブルでは自分の懐具合と目筋に応じた人同士で売買が行われている。
一方で偽物にも、偽物を芯棒にしてターンテーブルがいくつも周っている。例えば目利きを騙すほどの一流の偽物のターンテーブル、二流、三流の偽物のターンテーブルがあり、それぞれランクが分かれ、そこに群がる人がいる。
このとき偽物に引っ掛からないよう目利きになる為には、プロアマ問わず、本物の芯棒で周っているターンテーブルの「上のランク」から始めるべきである。
程度の高いターンテーブルからスタートするにはかなりの勇気と決心がいる。まして知識がない内は尚のこと。

これは一流骨董店の敷居を跨げるかで将来大きな差が生まれる。
一流店に踏み込んでみた経験と見識をもってして目が養われ、巷の露店市や即売会を歩く時に物を見る態度が良くなってくるのだ。
但し一流店にも偽物が転がっている事を忘れてはならない。

一流店に行く為にはそれなりの気構えがいるし、ある程度の金を懐に入れておかなければならないし、そこで気遅れしないだけ自分を鍛えておかなければならない。
露店市や即売会は見栄を張る必要がないから素人でも飛び込みやすいが、一度そのターンテーブルからスタートすると這い上がって1つ上のターンテーブルに行くのは難しい。
だから最初から上のターンテーブルを狙うべきなのだ。
気おくれせずに最初から一流店に行く為には日頃から良い音楽を聴いたり、良い本を読んだり、貪欲に良い物に触れる事で感性を豊かにしておく必要がある。骨董ばかり見ていては駄目。

そして裏街道は歩いては駄目。
裏街道を歩くということは「骨董マニアにはなるな」ということ。
骨董という生産の利かないマイナーで隠微な世界では人はどうしても裏街道を漁りたくなる。
つまり野良犬がゴミ箱を漁るように陰へ陰へと歩き回って掘り出し物を探そうとする。
しかしそれはやがて安物買いの銭失いになる。
骨董商の世界では「貧乏数寄者」というが坂道を一気に転げ落ちてひたすら裏街道を歩きまわり、最終的にお金に困って売ろうとも所詮低いターンテーブルの中での話で感性が低いから捨て値にしかならない。
だから骨董品を買おうと思ったら表街道を堂々と歩け。
そうすると本物が必ず付いてくる。
本物が向こうから寄ってくる。
(「ニセモノはなぜ、人を騙すのか?(著:中島誠之助)」を一部要約)

如何でしょうか。
図にするとこんな感じでしょうか。

個人的にこれは凄く共感する内容であった。

ここでいう裏街道とは刀で言うなら、町の骨董市などで刀を買ったり、ヤフオクで刀を買ったり、そういう事を指すのだろう。
私も高校生の頃にビッターズという今のヤフオクのような場で刀を真剣に買おうとしていた時期もあったが、その時に急がず買っていなくて本当に良かったと思う。
結局それから15年後の30歳で初めての刀を買う事になったが、その時も沢山刀剣店がある中でどのお店が一流店なのか判断出来たわけでは当然ないが、結果的に一流店で買えていたのは幸運な事であったように思う。
そのお店では名品をとにかく沢山見なさいと沢山の名品を見せて頂けた。
以降も刀は高額で高い事もあり寄り道もしたくないのでそのお店でしか買っていないが、鑑定会などでも作者の銘は当てられなくとも、刀の格を間違える事は殆ど無くなっている気がするので今振り返ってみても正解であったように感じている。

一方で刀装具の方はヤフオクでも買い、一流店含む色々なお店で買い、まさに裏街道も歩きながら寄り道も沢山している買い方をしている。
どうしようもないガラクタも含めてここ1~2年で大体40点くらいにはなったか。
総じて振り返れば、ヤフオクなど裏街道で拾ったものの中に格の高い掘り出し物があったかと言えばそんな事は一切なく(面白い物はあったが)、なぜ買ったのかと後悔するような物や、ガラクタのような物も掴んだ。
実際に以下の鐔は目に入ると目の毒だったので廃棄した。

一流店で買った高額な物はやはり物として良いばかりでなく格そのものが高い。同時に自分に見合っていないと気後れして疲れる事もあるのだが…。
以後お店に行った際に名品を見せて頂く事もあるが、それらのような質の物がヤフオクにあるかと言えば一切ない。
仮に同じ作者の正真物が仮にあったとしても出来や状態(質)が相当に落ちる。

故にまずは焦らずに一流店で手本となるようなものをある程度の金額を出して買い、そこに通って良い品を目に焼き付けるのは今後長く趣味を続けていく上で偽物を掴まない為にも大事であるように感じた。
難点と言えば名品は高いので簡単に買えない事にあるのだが。。。
それに加えて自分で勉強する姿勢も勿論大事なの事は言うまでもない。
なのでこの本の中で筆者が言っていた事にとても共感する。
この本を読んで感じたが、順番が大事なのだ。
一流店に行った後に骨董市は良いが、いきなり骨董市はマニアになる可能性があり危険であると。

しかし世の中にはそうした事を面倒に感じたりそもそも別に良い物を買いたいと思っている人ばかりでもないので、そうした人はその人にあったターンテーブルが必ずあるのでそこで楽しむのが良いのだと思う。
あくまで趣味の世界、人からどう思われようが自分が好きになった物を好きに集めるのがやはり幸せで楽しいのではないだろうか。

以下の本、今回のような内容が多く書かれており読みやすく大変面白かったので興味ある方は読まれてみてはいかがでしょうか。それはそうとこの著者の方の噂も色々聞きますが…まぁ本の面白さとそれは関係ありませんので。


今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はいいねを押して頂けると嬉しいです^^
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き御刀ライフを~!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?