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第13回「刀屋さん見学会」レポ

今日は13回目となる刀屋さん見学会を行いました。
刀屋さん見学会とは、刀をまだ手に取った事が無い人や、刀剣店に1人で入るのに抵抗がある初心者の方などを対象に、実際にお店で刀の鑑賞方法やマナーを教えて頂こう、という会です。

場所はいつもながら帝国ホテル内の霜剣堂さんです。
ロビーに綺麗な花が飾ってありますがその近くで参加者の方と待ち合わせお店に移動しました。

地下1Fアーケード内にあります
お店の正面には室町期を代表する刀工、源兵衛尉祐定の特保太刀が飾ってありました。
源兵衛尉祐定は与三左衛門尉祐定と並び有名な祐定の1人です。
もう一つは虎徹の師匠と言われる兼重の重要刀剣。宮本武蔵が佩刀した刀工でも有名。


①見学会スタート

お店に着くといよいよ見学会スタートです!
まずは実際に約350年前に制作された「寿命(としなが)」の刀を用いながら鞘からの払い方、納め方、柄の外し方、刀枕への置き方、他者への刀の渡し方などの取り扱い方法の説明をして頂きました。

鞘の払い方と納め方を解説頂いています

次に刀の姿や刃文、地鉄の見方の解説です。
こちらは実際に参加者の方が刀を持ちながら行います。

肩を前に出して刀と目線の距離を確保する事で刀の姿が捉えやすくなる、というアドバイスを聞き即座に実行。刀はまだ殆ど手に持った事が無いと仰っていましたが、既に玄人感が漂っています。
同じく刀はまだ過去1度しか持った事が無いという参加者の方。
こちらも持ち方が上手すぎます。

次は刃文の鑑賞。店内を暗くして下さり見え方の違いなども体験。
刃文の鑑賞も光の当て方のコツを掴むと「見える!」と興奮気味の参加者。

今回刀を持つのが初めてという参加者の方でも直ぐに鑑賞方法を体得されていました

その後は刀が代わる代わる出て来て様々な刀を鑑賞しました。
「映り」が何か、映りの見やすい持ち方なども教えて頂き実践されていました。


②鑑賞刀紹介(一部)

という事で実際に鑑賞した刀を一部紹介します。

・備州長船勝光

勝光(室町時代)
室町時代らしい片手打ち姿で映りが鮮やかに出ています。映りの解説でも用いられた刀です。


・肥前国忠吉(初代)

肥前刀はやはり地鉄が新刀の中でも抜きんでて美しいと個人的に感じます。
新古境の刀工の技量は特に高いものがあるように感じます。
初代の正真作ですが新刀は生ぶ姿が多いのでちょっと摺り上がっただけでもガクッと安くなるそうで。それが許容できる人にとっては逆に有難いかもしれないですね。地刃が重要刀剣クラスでもガクッと安くなりますので…。


・水心子正秀

脇差サイズの助広写しと思われる作。
刃文は濤瀾刃(とおらんば)。水心子の中でも濤瀾刃の作は人気だそうです。
華やかだからでしょうか。


・固山宗次

新々刀という事もあり非常に健全です。匂口が非常に柔らかく引き込まれる一振
しかし茎を見ると二ツ胴の裁断銘が入っています。美しい匂口を見ているとつい忘れがちですが凄まじい切れ味です。


他にも大慶直胤や堀川物、古い所では来国光の名刀など様々な刀を見せて頂きました。

堀川物
何やら変わった地鉄の刀
この地鉄は一体…尚鉄に潤いがあるのもまた気になります。


私はいつも通り子供の迎えで途中退席したのですが、皆さん18時頃まで様々な刀を手に取り皆さん楽しまれていたようで私としても嬉しく思います!
刀屋さん見学会はまた行いますので、ご興味ある方は是非ご参加頂き刀の魅力を間近で味わわれてみて下さい。


今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。


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