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糸巻太刀拵のささやかな発見

現在目貫は単体で楽しむアイテムとしても地位を確立していますが、本来は柄に付いて実用を兼ねていました。

しかし拵などが展示されていても鐔や下緒、縁頭などの金具には目がいっても目貫は柄糸の下に埋め込まれているからか個人的にあまり記憶にない事が多い…。
という事で過去の展示会写真から拵の柄部分を眺めていたのですが、糸巻太刀拵には必ず家紋の目貫が付いている事に気が付きました。
龍や獅子、植物などの目貫は付きません。
いや今更かよ、と思われるでしょうが地味に盲点で今まで気が付かなかったのです。

…ただそれだけの発見なのですが。
折角なので過去の展示会の写真などを並べます。

尚半太刀拵になると家紋目貫も多いですが、龍などの目貫も出てきます。
以下2つは家紋目貫です。

半太刀拵。定規に九曜紋
半太刀拵の大小

そもそも家紋目貫の付いた拵は目貫以外の他の金具も家紋で構成されている事に気が付きます。統一感が大事と思われます。
因みに登城用の大小にも家紋目貫はよく使われます。
目貫が家紋なのに小柄や笄が龍、などといった非統一感はやはりありません。


そういえば写真を振り返っている中で猿猴図の目貫が付いている拵を発見しました。
猿猴図(猿が手を伸ばしている図)は個人的にも好きな画題の1つなのですが、目貫単体では見ても柄に付いているのは初めて見た気がします。
という事こちらも折角なので記録としてここに残しておきます。
目釘に手を伸ばしているように見えるのがなんとも可愛いです。



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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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