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明寿っぽい鉄鐔についての考察③ 櫃孔の形状について

久しぶりに埋忠明寿っぽく見える鉄鐔についての考察について更新です。
前回の記事は以下をご覧ください。


今回は櫃孔の形状についてです。
何の透かしか長らく分からなかったのですが、先日「刀掛」の図録を買ったところ、似たような透かしが大名家の刀掛けに多く用いられていた事から、おそらくこの透かしを入れているのではないかと思ったのでメモします。

以下がその似た透かしの入った刀掛けです。

島津家伝来の刀掛
(「刀掛 著:伊藤満」より)
上杉家伝来の刀掛
(「刀掛 著:伊藤満」より)


解説を読むと「団扇地紙」の透かしとのこと。
団扇とはつまり「うちわ」です。
地紙はwikiを見ると「扇や傘などに張るためにその形に切った紙」とあるので、つまり「うちわ型に切った紙」の透かしである事が分かりました。

こうした透かしが大名家の刀掛けにまま入っている事もあり、格調の高い透かし意匠だったのかもしれません。
この鐔についての伝来などは当然不明で分かりませんが、鉄の鍛えも良くこのような透かしが入っていると「もしや…」と妄想は付きません。

あとは鐔にうっすら残る底銘らしきものが解読出来ればこの鐔の歴史が更に分かるかもしれません。
こちらはまた分かり次第更新しようと思います。


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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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