見出し画像

結婚祝いに贈る短刀の形、実は風習が?

紀子さまが秋篠宮妃としてご結婚された時には、隅谷正峯(人間国宝)がお守り刀を鍛錬されたようです。
このように嫁入り短刀を送るという風習は昔から現代まで続いているようです。
これはご存じの方も多いとは思いますが、実は嫁入り短刀の形にも風習があるそうですよ!

画像4

(画像転載元:https://www.youtube.com/watch?v=Cql7WirNc00)


①嫁入り短刀の形には風習があるらしい

いつから定まっているのか確かではありませんが、渡辺妙子先生の著書「名刀と日本人」を読むと大体以下との事です。

・反りが無い平造り
・刃文は直刃
・帽子の返りは無く「焼き詰め」


私も初めて知りましたが、帽子の返りが無いのは「実家へは帰りません」という覚悟の為と言われているらしいです。
写真で見ると以下の様な感じでしょうか。(国宝:桑山保昌)

画像1

(転載元:https://kougetsudo.info/kuwayamahosho/)


②嫁入り短刀のモデルとなった短刀は?

画像2

(展示目録:https://www.tokugawa-art-museum.jp/exhibits/special/2016/02/post-2/)

粟田口吉光の短刀と考えられているそうです。
ではなぜ吉光なのでしょうか?

少し話がそれますが、一昔前の時代、戦国時代で切腹を余儀なくされた武将は切腹に吉光を用いています。(織田信長、豊臣英次、畠山政長など)
最後の命を託すのは吉光であると武将たちは思っていたようです。
その理由として、渡辺妙子先生は武将たちは吉光のはんなりした優しさに心惹かれたのではないか、と著書に書いています。(「名刀と日本人」)

吉光が武将たちの間でとても人気だった事もあり、江戸時代には婚儀での最上の引き出物にも使われていました。
そんな事から、いつからか吉光が嫁入り短刀のモデルとなったのかもしれません。


③終わりに

江戸時代、花婿には引き出物として吉光などの名刀が下賜されていましたが、花嫁本人へは私的なものとして「徳川実紀」などの公式記録には記録されていないらしいです。
しかし父親が花嫁本人に与えていない事は流石に無いと思うので、そういった短刀も記録が無いだけで現代にも多く残っていそうです。
刀剣店などで見る伝来不明の名刀、実は嫁入り短刀であった可能性もありそうですね!


今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はハートマークを押してもらえると嬉しいです^^
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き御刀ライフを~!

画像3

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?