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購入検討中の刀装具

日々ネットで刀装具を探していると欲しい物がちらほら出てきます。
気が付けばほぼ毎日数十店舗のHPを訪れては更新を楽しみにしている始末。
ただ気に入った物を見つけても片っ端から買うのは不可能なので、よくよく吟味しています。
ただ見れば見るほど欲しくもなってくるので、最近は浪費を抑えるためにも敢えて欲しい物を公表する事で誰かの目に止めてもらい自分自身の入手難易度を少し高くして(もし売れたら苦渋にも諦めざるをえないが節約は出来る)、売れやしないかとドギマギしながら待ち、買える時になったら買うという恐らく誰にも理解されないでマゾ的な試みを始めたのは昨日書いた通りです。

という事で今回は今欲しいと思っている刀装具について書こうと思います。
ここに載せた5点は全て実物を拝見させて頂いており心から良いなぁと感じている物でいつか欲しいと思っている物。
但し基本的にネットに掲載されているものだけ載せています。
(ネット掲載されていない物はお店側が公表を控えている可能性もありますので詳細は書きません)

・肥後打刀拵

(画像出典:丸英刀剣 黒漆研出鮫鞘肥後打刀拵

実に詫び寂びの感じる拵で、場所によって濃淡や色味の変わる出鮫の風合いがとても良い。
何と言っても海鼠透鐔の艶っとした潤いのある鉄味がそれだけでもずっと触っていられる質感で素晴らしい。
笄ではなく珍しく馬針が付いており、鉄地に金の布目象嵌が控え目な差し色になっている。(馬針は戦場あるいは狩場において長い時間にわたり馬を走らせると、馬の脚部は鬱血状態になる、そこで馬針をもって脚部に傷をつけ、一時的に出血を促して馬のコンディションを保つ。ここに馬針本来の使用目的があったが、次第に形骸化して刀剣外装の装飾的金具となった。(引用元:weblio辞書

柄は革に漆を塗ったもので濃緑色の渋みが良い。
鐺(こじり)はただの鉄であるが、そこがまた無骨で贅沢を感じさせない日本の良き詫び寂の心が凝縮されているようにも思える。その他縁頭など典型的な肥後拵の様式を示している。
刀とセットになっていてかつ重要刀装指定であるので相当値段はするとは思うがとても素晴らしい拵でいつか欲しいと感じる一つ。

・古金工鐔

(画像出典:銀座誠友堂 古金工鐔

葡萄図が描かれた桃山時代頃とされる古金工鐔。
黒々とした赤銅の色味もさることながら、縦に魚々子が入ったり、葡萄の葉が下から生えているなど古い形式が見て取れる物。
大抵菜々子などは擦れていたり、葡萄の葉の金が剥がれてしまっているケースが多いのだが、この鐔はかなり状態が良い。
櫃孔は裏を見ると金色絵の部分で切れており端面が色絵されていない事から後加工で開けたものと思われる。
大きさも8cmを超えていて迫力があり良い。
きっと格の高い武人が付けていたのだろう。
ここ2ヶ月ほどずっと頭から離れない一品。
物が良いだけに値段もし、我が手を阻む。

・古金工目貫

(画像出典:銀座誠友堂 古金工 猿猴図目貫

最近見つけた一つ。ほやん、と少し抜けた顔が何ともかわいらしい手長猿の金目貫。一目惚れに近い。
裏行を見てみるととても薄く、一つは陰根が残っている。
側面から見たときの巻き込みもまた良い。
なぜ古金工極めなのかはまだ勉強不足で分からない。
表面に入れている鏨の数は一見すると少ないものの、よく見ると足の側面などには影のような毛のようなものを描いている。
必要な箇所だけに鏨を入れて猿を活き活きと表現しているあたりに技術の高さを感じる。
あー…欲しいなぁ…。

・黒蝋色塗打刀拵

(画像出典:コレクション情報 黒蝋色塗打刀拵

なんと室町から桃山時代とされる拵。
それがほぼ完璧な状態で残っている。
柄の雁木巻きがとても良い時代感を出している。そこだけではなく、鞘の漆の掠れたような色味が柄に合っている。
鐔には無数の切り込み疵があり、実戦で使われた事をこれだけ物語っている拵も滅多に無いのではなかろうか。
全長は少し短いが、これも時代がら室町期の片手打ちの刀が納まっていたとのだろう。
鐔は五三桐紋が入った山銅鐔。鑑定に出したらきっと古金工になるのだろう。
煌びやかな太刀拵よりも武士の刹那の生き様が感じられるような拵の方が最近は好みである。但しやはり値段と場所という壁が立ちはだかっている。


・古金工鐔

真玄堂さんにある古金工鐔もまた欲しくてなかなか忘れられないものの一つ。こちらはHP公開されていないので詳細は控えますが、これまた渋い色味をした山銅の古金工鐔。


・終わりに

という事で今回挙げた物は出来れば全て欲しい。
お金が無限にあったら良いのに…。
しかしこの中のどれかはいずれ買うつもりでいる。早くお金を貯めねば。
買える時までにこれらが残っているか…正直なところ売れてほしくないとかなりドギマギしているが、一方で誰かが買う事で出費を抑えて諦めたいという気持ちも両立している。まさに他力本願。
何とも不思議な感じである。
買いたい物は本来自分の心の中にしまっておく方が良い気もするが、縁を信じて欲しい物を書いてみた。
縁あるものは何をしても手元に来るはずである。
果たしてどれと縁があるか。勿論明日更に欲しい刀装具が出て来る可能性もあるのでどのタイミングで気に入った物を買うかというのも大事だろう。
買う決断は最後は勇気だとつくづく感じる。

どうか買える時まで売れずに残っていますように…。


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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