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鐔ケースの構想をようやくスタート出来そうです

最近鐔を立て続けに買っている。
まだまだ知識は皆無に等しいが、鐔の面白さや楽しさが少しづつ理解出来るようになってきた気がする。

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昨日は刀剣店の方がお勧めされていた刀装具の画題が載っている本を買ってみた。どうやら様々な画題が320ほど載っているらしい。
今日か明日には届くので楽しみにしている。

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さて、私は展示ケースを作るに当たって制作者が飾る物を好きでないと依頼者の要望を満たす展示ケースは中々作れないと思っている。
刀の展示ケースを専門で作り始めてから3年、今まで壺や時計、フィギュア、変わったところだと万華鏡など飾れる展示ケースを作れないか?という問い合わせを数多く頂いてきたが全てお断りさせて頂いている。

それは私自身が飾るものに対して興味が無いからだ。
興味が無いと知識がない。
知識が無ければ展示に当たり何に気を付けるべきかや、保管の方法、どんなデザインが展示物に合うのかなど皆目見当もつかない。
つまり所有者の求める物、納得頂ける物が作れないと思うのである。

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展示ケースを買う人は当然ケースの中に飾っている物が好きなのだ。
今私は日本刀が物凄く好きなので、愛刀家の方と熱量が合いやすいんだと思う。
刀のどこを見せれば綺麗に見えるか、刀の魅力をどうすれば引き出せるか、刀身をどうすれば安全に保管出来るか日々考えているから作れる。
しかし私が壺などの展示ケースを好きでもないのに無理やり作ったらどうだろうか。
壺愛好家の方と熱量が全く合わなければ向上心も持たないだろう。
壺の展示方法等も見様見真似で作るしかなくなる。
見様見真似とはつまり模倣であり、模倣は背景の理由までしっかり把握していなければ見た目だけのまるで役に立たないものとなってしまう。
加えて依頼者と熱量が合わないと、要望に対して意見が言えずにそのまま聞く事になる。
するとモチベーションも上がらず自分自身でも製作物の良さについて理解出来ず責任も持ちづらい。

展示ケースを飾る人はケースが好きなわけではない。
ケースの中に飾っている物が好きなのだ。
飾る物の魅力を展示ケースが引き出さなければならない。
その為にはケースを作る人が飾る物に興味を持ち、好きでなければならない。刀の展示ケースを刀の見方を知らない人や業者に外注して良い物が出来るわけがない。
美術品は興味のない人に無理やり良さを説明して分かるものでもないと思う。
その人がその人なりの感性で楽しむのが美術品だと思っている。
なので興味のない人が作れば展示ケースではなくただの箱になる。

鐔のケースに今まで着手してこれなかったのはまさにこれが理由だった。
しかし今は鐔に熱中している。
鐔には鉄や赤銅、四分一、真鍮、山銅など様々な材料が使われ、画題もそれこそ沢山あり見所が頗る多い。例えば江戸時代の鐔工には絵画を学んだ人も多く、刀よりもより美術に精通した人が多い印象がある。
清磨のように酒に溺れた鐔工もいる。人間臭くて面白い。
また鐔のデザインで言えば表裏でストーリーになっている物も多くとても面白い。
これらの鐔の良さや魅力を出し切れる展示ケースを作りたいと思っている。

現在刀展示ケース製作の注文分が溜まっているので、そちらの製作を優先しつつ、空き時間で構想を進めています。
形になるのはまだ先の事と思いますが、もし楽しみにして下さっている方がいればもう暫くお待ちください。
(尚、二所物や三所物など、他の刀装具まではまだ興味が追いついていないのでそちらのケースの製作はまだ当分先になると思います)


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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