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蝦夷目貫② 山銅と四分一の見た目の違い

蝦夷目貫の材質を調べていると、鑑定書付きのもので「山銅地」「四分一(朧銀)」「金銅地」となっている物を見る。
今回は山銅地のものと、四分一地の物の見た目の違いなど追ってみる。

まず重要指定品を見てみると、山銅のものでも四分一のものでも南北朝もしくは室町初期の物が存在している。(金銅は調べた限りだと重要指定品は無い気がするが見落としているだけかもしれない)
その中において「南北朝~室町初期」ではなく「南北朝期」と断定している物については板の厚みが極めて薄い点を1つ理由に挙げているように見受けられた。
その他、獏(バク)を題材にしたものなどは南北朝期と断定されている。
この時代判定の明確な基準があるのかは日刀保に聞いてみないと分からない所であるが、今回は山銅地の蝦夷目貫と四分一地の蝦夷目貫の見た目の違いなどについて比較してみる。

①見え方の違い

左が山銅、右が四分一地である。
四分一の方が剥げて見えた黒い部分が艶やかであり、また金も鮮やかに見える。山銅はくすんだ黒、くすんだ金、という印象だろうか。
写真でどこまで伝わるか分からないが実物を比較すると一目瞭然なので、比較して見ればこの材質は何だ?と悩むことはなさそうである。

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