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成木鐔⑬ 相場感やどこで買えるかについて

今回は成木鐔(現代鐔工の成木一成氏の作品)が大体いくら位のレンジで買えるのかという相場感や、どこで買えるのかについて書こうと思います。
というのも先日中学生の方から成木鐔について上記の問い合わせを頂いたのがきっかけです。
あくまで私がここ2年程で見てきた主観的な内容、かつ2024年時点での情報ですが書かせて頂きます。

①相場感

刀剣店で買おうとした場合の話ですが、並品で安くても10万円以上です。
大体13~15万円位というのが一番多く見る金額帯。
出来の良い物は30万円以上。
成木氏オリジナルの画題よりも、歴代の名作の写の方が高くなる印象があります。

しかし今挙げたのは鑑定書なしの今までの相場感
ここで注意が必要なのが、ここ1年で「成木鐔に日刀保の鑑定書が付くようになった」という変化があった事は忘れてはいけません。
まだ見かけるのは稀ですが鑑定書付きのものが出始めています

鑑定書付きの成木鐔は当然審査料が上乗せされますから値上がりするでしょう。まだ鑑定書付きの成木鐔を刀剣店で見た事が無いのでこれは予想ですが、並品で18~23万円、出来の良い物で35万円~、位になるのではと予想しています。

尚、今までみた最大で高い物はコンクール受賞品(鑑定書なし)かつ書載品で55万円でしたが、他店で同様の物でもそこまで高い値を付けている所はないので流石にそれは行き過ぎでは、という印象。出来も15万ほどのものと大差なく。

一方でヤフオクなどで買おうとした場合は、10万円以下で買える事が多いです。大体3~8万円位でしょうか。


②どこで売っているか

刀剣店がやはり主流ですが、ヤフオク、メルカリなどでも買えます。
ツテがある方はコレクターから直接購入という手も。
まだまだ鑑定書が無いのが大半なので初心者の方はなるべく刀剣店で買う事をお勧めするのは刀と同じです。
ただ成木鐔に偽物が多いかというと、殆ど無いのではないか、というのが個人的な印象。
というのも結構成木鐔はクセが強く、同じ風合いの偽物を作ろうにもなかなか難しいのではないでしょうか。
ただそんな事を書いていると増えるかもしれないので、あまりアテにしないでください。大体5点も集めれば「これは成木氏のだ」と段々分かってくるのではないでしょうか。

銘も大きく昭和頃と平成頃で書体が変化していますが、基本的に「一成造」「胞山」が主です。写していたりすると「摸一成」とある事もあります。
因みにヤフオクで「一成」という二字銘を何度かみましたが、どの図録にもこの銘は1点も載っていません。
だからと言って偽物と断定は出来ませんが、警戒しておいても良いかもしれません。ただ凄く本物に見えるんです。
「一成」銘についての考察は以前以下でしていますので興味ある方はどうぞ。

出来については、やはりヤフオクに出る物は先の相場感が示す通り、出来があまり良ろしくないです。
質の良い成木鐔を手に入れるにはやはり刀剣店が一番かと思います。
因みに以下はヤフオク品で値段は確か3万円台だったかと。
物は確かですが出来は良くないですね。

以下は刀剣店で求めた柳生写しの鐔です。



③終わりに

それにしても中学生という若い方が成木鐔や刀装具について興味を持たれているのはとても嬉しいです。
私もまだまだ勉強の身であり他者へ教える事などは出来ないですが、楽しさを伝える事は出来ると思うのでそうした点はこれからも伝えていけると良いなと感じています。
そして刀装具人口も増え界隈が盛り上がっていくと嬉しく思います。


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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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