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日本刀の値段 「〇〇万円出せばこんな刀が買える」

日本刀の値段、気になるところです。
最近はネットで値段が公開される所も多いですが、今でも高い刀の値段はあまり公表されていなかったりします。
刀は1点1点が全て違うので、値段があってないようなもの、とはよく言われます。

事実ですが、おおよその相場もあるようです。
今日はいくら持っていればどのランクの刀が買えるのかについて書いていこうと思います。

とはいえ、細かい値付け方法や仕入値は刀剣商ではない私には知る由もありませんので、ここでは私が大刀剣市やネットで見てきたり、本で読んだ内容を基に書いています。
(※当然この値段で買える事を保証するものではありません)

①鑑定書について

以降の話で鑑定書が頻発するので先に紹介します。
現在通用するとされている鑑定書は日本美術刀剣保存協会が出している、
「保存刀剣、特別保存刀剣、重要刀剣、特別重要刀剣」のみ
です。
それ以外に重要美術品という国の指定を受けた刀が有ります。これは特別重要刀剣同等もしくはそれ以上の扱いを受けます。
これら鑑定書が付いていると、「世間的に本物」と見なされます。
(個人的に本物と思うのは自由ですのでこのような書き方をしています)

旧指定書の「貴重刀剣、特別貴重刀剣、甲種特別貴重刀剣」は信頼度が低く、鑑定書が無いものとして扱われるそうですので注意が必要です。

日刀保の審査基準はこちらの通りです。

日刀保審査基準


②この額を出せばこんな刀が買える?!

以下は全て「刀」での値段を書いています。
短刀なら50~60%、脇差なら30~40%位の値段を目安とお考え下さい)

・20万円以下で買える刀

短刀なら10万円位、脇差なら7万円位で買えるランクとお考え下さい。
基本無鑑定の刀(希望銘も同意語)になります。
無鑑定というのは、刀に銘が有ろうが、極めが付いて居ようが誰も本物と信じない刀になります。
状態も悪く、錆びや刃欠け、鍛え割れなどのキズなどが目立ち(刀剣店であれば流石に刃切れがある刀は無いと思いますが、ある場合は事前に教えてくれるはず)、鑑賞用というよりも居合や試斬用として売られているケースが多いです。
研ぎ代の方が高かったりするので、錆びが付いたまま売られる事が多いです。
ですが本物の刀であることに変わりはありません。

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(画像は上記リンク先より転載)


・50万円で買える刀

保存刀剣の鑑定が付いた刀が買える額です。
この鑑定書が付いていればその刀は本物と見なされます。
キズなどはまだまだあるものの、本物が欲しい方は鑑定書付きをお勧めします。(現代刀には鑑定書がつきません)

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(画像は上記リンク先より転載)


・100~200万円で買える刀

特別保存刀剣の鑑定が付いた刀が買える額です。
特別保存が付くと本物というのは勿論のこと、傷も少なく鑑賞を楽しめる作になります。
200万円近くになると名の聞いたことのある刀工の作が増えてきます。
脇差であれば無銘の重要刀剣も狙える値段です。

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(画像は上記リンク先より転載)


・300~400万円で買える刀

特別保存の中でも出来が優れ、「あ、この刀工の名前聞いたことある」というような刀工の作になってきます。
無銘の重要刀剣も買える金額です。
この値段になってくると傷はほぼなく、刀としての美しさやオーラを放ちます。
無銘ですが有名な刀工に極まっている作も多く見かけます。

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(画像は上記リンク先より転載)


・400~600万円で買える刀

誰もが知っているような有名刀工の特別保存刀剣、または無銘の有名刀工に極められた刀や、そこまで有名ではない刀工の在銘重要刀剣の刀が買えます。
新刀以降であれば比較的健全で出来も美しく、支部の鑑賞会で並ぶような刀になってきます。
備前刀などであれば乱れ映りが微かに見えるような作になってきます。

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(画像は上記リンク先より転載)


・700~900万円で買える刀

在銘重要刀剣、特別保存でも重要前提の出来の刀が買えます。
有名刀工の重要刀剣指定品も多く買えます。
出来で言えば健全なのは勿論例えば備前刀であれば、乱れ映りがはっきり見える作になってきます。

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(画像は上記リンク先より転載)


・1000万円~1400万円で買える刀

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