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大刀剣市2022のカタログを見て気になった作など

大刀剣市2022のWEBカタログが閲覧できるようになったみたいです。
そこで今回も金額気にせず個人的に良いなと思った品についてつらつら書いていこうと思います。(※尚購入を推奨する為のブログではありません。あくまで一個人の好みの作を並べただけです)

カタログは以下から閲覧できます。

https://www.zentosho.com/wp/wp-content/uploads/2022catalogue2.pdf

(画像出典:全刀商 大刀剣市2022


因みに今回の大刀剣市ですが私も「刀箱師」ブースで刀展示ケースを展示販売します
以下でお待ちしておりますので、皆さん是非遊びに来て下さい^^!

(画像出典:大刀剣市2022 WEBカタログ
改良した卓上刀箱

という事でさっそく。

No.1 吉房(太刀)

表紙の吉房。特別重要刀剣。
生ぶ在銘で大切先という、福岡一文字吉房が活躍した鎌倉中期の姿を考えると変わり出来をしている。
カタログの解説を読むと他に一口、類似の作例があるらしい。
吉房と言えば華やかな丁子に乱れ映りのイメージがあるが、こちらも写真の刃取りを見ると焼きに高低差がありそうでそれらが際立っていそうな気もする。
こういう刀は手にする事が出来たら一生ものですね。


No.13 越後守包貞(脇差)

重要刀剣指定品。助広の濤瀾刃を感じさせる作風で匂い口がとても深そう。
きっと刃もとても明るいのだろう。
茎の状態も鑢目が残っていて、銘の鏨跡がはっきり見え、茎孔も一つなどかなり状態が良く見える。帽子も凄く健全そう。
個人的に好きな刀工の1人。


No.24 國徳(刀)

特別保存刀剣。堀川国広一門とのこと。
國徳の作はとても少なく、「堀川国広とその弟子」の著書の中にも刀と短刀の2例しか載っていない。
恐らくそこまで値段もしないだろうし(円安なので分からないが…)、こういった作は国広一門の研究などにも面白そう。


No.27 当麻友行(短刀)

重要刀剣。なんと超希少な当麻の在銘作。
友行は当麻の祖である当麻国行の孫とも伝えられている刀工で、南北朝頃の刀工。
帽子もいわゆる焼き詰めになっていて大和物の特徴が良く出ていそうな雰囲気を受ける。帽子が少し内反り気味になっているので少し減っているような気もするが総じて状態が良さそう。
何より在銘というだけで気になる方も多いのではないでしょうか。

No.32 荒木東明 粟穂図(揃い金具)

重要刀装具。幕末を代表する装剣金工である荒木東明の揃い金具(鐔、目貫、笄、縁頭など、拵えに付いている部品全てが揃っている)。
刀装具は揃い金具がとても少なく、幕末といえど数が少ない。
その中にあって代表金工の揃い金具。
そして東明と言えば粟穂図。穂の部分は特に細かく作られており、見る人を圧倒する。
という事で値段は想像しただけで恐ろしい。当然8桁代だろう。


No.38 無銘 長船長義(刀)

特別重要刀剣。加賀前田家伝来。カタログには長重と書かれていたが、鞘には長義とある。印刷ミスであろうか?
不明であるが、こちらでは長義としておいた。
見るからに姿が素晴らしく、また地鉄も相当に美しそうである。
樋の横にある添え樋もまた味がありとても良い。
写真からも覇気が伝わってくる。


No.44 勢州桑名住村正(脇差)

特別保存刀剣。
有名なあの村正の作。
短刀が多い中で、脇差は珍しい気がする。
しかも長銘。樋まである。
村正の特徴でもある表裏で刃文が揃うのも見て取れる。
これは即売れだろう。
尚、つるぎの屋さんでは全部で村正を3点も出品される様子。
凄い、凄すぎる…。
村正人気は凄いので直ぐ全部売れそうですね。


No.49 金象嵌銘 国俊(刀)

重要美術品。二字国俊極め。
写真からも伝わってくる地鉄の精美さが印象的。
また大摺上げにも関わらず反りがとても深い。元はどれだけ反っていたのだろうかと気になる一振。
金象嵌という事は本阿弥などの極めがされていたりするのだろうか。
重要美術品という事できっと然るべき伝来があると思われる。


No.63 無銘 伝貞宗(刀)

特別重要刀剣。地景の入り方が凄まじい。
まるで正宗を見ているようなそんな印象を受ける。
なぜ貞宗極めとなったのかなど極め所など個人的には聞いてみたい。
二本樋などだろうか?
第25回の指定なので図録を刀剣博物館に見に行ってみたい。
凄い名刀であるが海外に行きそうな予感。
日本人のどなたか買ってください。


No.65 金家(鐔)

重要美術品。信家や埋忠明寿と並び桃山三名工の1人として数えられている金家の作。
有名な鐔。
これは漁舟の図であるが、この鐔を眺めていると、この舟に乗っている人が見ているような世界にそのまま入り込んでしまうような詫び寂の世界が鐔に表現されており、やはり金家という人物の表現力に驚かされる。
鉄の色味も相当に良さそう。


No.81 延房作(太刀)

特別重要刀剣。紀州徳川家伝来。古一文字の生ぶ在銘品。
第26回の指定との事でつい最近刀剣博物館で見たが、映りも鮮明で出来が素晴らしい。
いつかこういう作が欲しいと思った記憶がある。
家宝になる一振。


No.85 末行(伝綾小路)(太刀)

特別保存刀剣。在銘、茎孔1と生ぶ状態で残っていることに驚かされる。
日本の古い時代の優美な姿を楽しめそうな一振。
まさに手に取って拝見したい一振。


No.96 備州長船住兼光(短刀)

重要刀剣。鳥取藩米子荒尾家伝来。
在銘かつ裏年紀入りの貴重な作。
写真で見ると映りも見えるような気がする。
金無垢家紋透かし二重鎺がとても似合いそうな短刀。


No.106 吉行(陸奥守)(刀)

保存刀剣。陸奥守吉行は刀剣乱舞がブームになってから出ても直ぐ売れてしまう超人気刀と聞いた事がある。
その為ネットなどでも売られているのを見た事がほぼない。
今回のこの吉行もあっという間にお迎え先が決まるのだろうか?
吉行を狙っている方は事前にお店に問い合わせてみるのも手かもしれない。
買えるかはお店判断なので分からないが。


No.111 粟田口一竿子忠綱 彫同作(刀)

重要刀剣。
一竿子忠綱と言えば彫り物の名手であるが、こちらの刀にも実に覇気のある玉追い龍が描かれている。
また特徴である富士山のようになる濤瀾刃(伝わり難そうですが)が写真でも見て取れます。

No.119 無銘 二字国俊(太刀)

特別重要刀剣。
無銘ながら健全度が凄まじい。
 また付属している拵も素晴らしい。
大名刀であったが故に当時の名のある大名が摺り上げて佩刀していたのだろう。
今は刀を昔の状態のまま維持する(残す)ことが大切にしているという事であるが、昔は気に入った名刀を使いやすい長さに短くして佩刀する事が大事にするという感覚であったと聞いた事がある。

No.123 宗珉(花押)三匹獅子図(小柄)

重要刀装具。
町彫を創始した横谷宗珉の作。
個人的に宗珉の作る獅子は目にとても活力がありとても好き。
人気な題材なだけになかなか世に出てくることが無い品と思われる。
というよりも宗珉の作自体がなかなか出てこない。
きっと海外に流れているのだろう。


終わりに

という事で相変わらず名品だらけでとても楽しみです。
詳しい写真などはこちらから是非ご覧ください。

また冒頭に書いた通り私も「刀箱師」で出展します。
自宅で愛刀を楽しめる刀展示ケースを展示販売するので是非実物を見に遊びにきてください^^

(画像出典:大刀剣市2022 WEBカタログ
改良した卓上刀箱

今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。


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