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鐔展示ケースを自作する⑤ 完成!

構想から約1年位経ってしまいましたが、鐔を飾る展示ケースが遂に完成しましたのでサイズや特徴などについて紹介しようと思います。

自作した鐔展示ケース

動画はこちら↓


①サイズ、スペックなど

※記事執筆時点。設計修正により変わる事があります。

ケース外寸:

横350×奥行117×高さ200(単位:mm)

3枚飾れる鐔の上限サイズ:
直径110mm、厚さ9mmまで

使用可能電圧:
AC100~240V

スポットライト:
アルミ製、計6灯、3000K(オレンジ色)、リモコンにより調光可能

鐔の直径(左から):約60㎜、70㎜、85㎜
鐔の材質(左から):赤銅、真鍮、鉄

リモコンによる調光の様子は以下。




②特徴紹介

今回の鐔展示ケース製作にあたり以下を満たす物を製作したつもりです。

・鐔の両面が見える
・絵のように壁に飾れる(但し卓上にも置けるように)
・鐔が取り出しやすい

・鐔両面が見える

今まで鐔の背面に鏡を設置する展示などは美術館などでも行われてきました。しかし鐔の背面が鐔自体で陰になってしまい背面のデザインが見えづらいという問題が。
そこで鐔背面にもライトを当てる事でこの問題を解決しました。
後は見やすい角度と鏡までの距離を実験しながら求めて、それを形にした感じです。
鐔の固定方法についてもかなり悩みました。
なるべく背面のデザインを全て見せてあげたいので、こういった形になっています。結果的に浮遊感が増したようにも思います。
鐔をフックなどに引っ掛ける方法もありなのですが、鐔を掛ける際に鐔に傷が付いてしまう可能性や、背面の視認性の問題から止めました。
他にも鐔の底部をピンなどで抑える方法なども考えましたが、反射防止フィルムとの兼ね合いなどから見送りました。


・絵のように壁に飾れる(但し卓上にも置けるように)

こちらまだ壁掛けしてないので写真が無いのですが、専用のブラケットを壁にネジで固定して、そこに鐔展示ケース本体を引っ掛けるような感じで壁掛けします。(背面の角穴に引っ掛けます)
上手くいくはず…。


・鐔が取り出しやすい

鉄鐔以外のいわゆる金工鐔は鑑賞時に手袋をはめたりなど鑑賞が手間なのでずっとケースに入れて埃が付かないようにしておける方が良いのですが、
鉄鐔は触ってなんぼです。
いつでも触りたい、それが鉄鐔です。

なので触りたい時に直ぐに触れるようにする事は大事だと考えました。
そこでフロントパネルは磁石で簡単に手前に開くようになっています。
一方でフロントパネルは地震などで鐔が落ちないように押さえる役目も担っています。


③終わりに

こちらの鐔展示ケースですが、今年11/18~11/20に東京美術倶楽部で開催される大刀剣市2022で展示販売します。
刀箱師の展示ブースは以下になりますので是非遊びに来て下さい^^

大刀剣市2022 フロアマップ


また、こちらのケースには台座部分に箔漆の板をオプションで付ける事が出来ます。

箔漆の板

こちらは11月にならないと完成しないのでまだこの写真はないのですが、大刀剣市には付けた物を出展予定です。

という事で無事完成しました。
正直半年くらい全くアイデアが浮かばない時期が続き焦っていたのですが、なんとか大刀剣市に間に合って良かったです。
価格などについては11月頃に出すのでもう暫くお待ちください。


今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!

この鐔展示ケースの製作工程などは以下からお読み頂けます。

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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