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【写真7枚動画3本】鼠径部痛における評価と整形外科テスト4選
整体やスポーツ現場では、診断がなく鼠径部周辺に痛みを訴えている選手も多く、原因部位の予想、特定することは重要になってくると思います。
また、クリニックなど診断がついている場合でも原因部位を同定することも重要になってきます。
実際、鼠径部痛は、複数の組織が関与していたり原因部位の鑑別は難しい部分もあると思います。
ただ、やみくもに鼠径部周辺にアプローチしていては治せる人も治せないですよね。
というわけで、今回は鼠径部痛の鑑別方法についてお話していければと思います。
鼠径部痛(Groin pain )とは
鼠径周辺部痛(Groin pain:GP)とは 鼠径周辺部の痛みが局所の器質的疾患や他の障害からの影響で痛みを訴えているなど、原因がなんであり、鼠径周辺部に痛みを訴えているすべての状態のことを言います。
「鼠径周辺部に明らかな器質的原因がなく、何らかの原因により、体幹・下肢の可動性・安定性・協調性が失われた結果、股関節機能不全となり、鼠径周辺部に痛みを起こしている状態」は鼠径部痛症候群(Groin pain syndrome:GPS)と言われたいます。
骨や軟部組織の損傷があっても鑑別診断がなく鼠径部に痛みがある場合はGP、
鑑別診断がつき、器質的問題のない鼠径部痛はGPSになります
GPの症状
急なストップ動作や方向転換を繰り返すサッカーやテニス、ラグビーなどのスポーツ選手に多くみられます。
サッカーのキック動作やランニング、起き上がりなど鼠径部や腹部に力が加わることで鼠径部周囲・股関節・恥骨・腹部に痛み出るといった症状がみられます。
基本は日常生活での痛みは少なく、運動時に痛みが出現することが多いです。
ただし、症状が悪化すると日常生活でも痛みが出る場合もあります。
GPの危険因子
慢性的な内転筋の肉離れがある選手では,片脚立位での股関節屈曲時,長内転筋に対する中殿筋の筋活動が低下、急性GPの既往がある選手の健側の股関節内転筋に対して患側の内転筋力が低い、またサッカー選手の内転筋などの肉離れの危険因子として,股関節の内外旋可動域低下などが報告されています。
まとめると、
・股関節内外旋可動域の減少
・股関節内転筋の筋力低下
・股関節屈曲運動中の内転筋に対する中殿筋の筋活動低下
その他にもASLR時の腹筋群の活動遅延なども運動学的な危険因子として挙げられています。
鼠径部痛を有する重篤な疾患
股関節痛は骨折,脱臼,感染などの重篤な外傷や疾患の徴候である可能性もあります。
今回は股関節痛・鼠径部痛が生じる重篤な疾患を少しご紹介しますね。
●大腿骨頚部疲労骨折
頚部疲労骨折には横断型と圧迫型があります。
大腿骨頚部の横断裂は頚部の近位部に亀裂が生じるもので,高齢者に多く転位や完全骨折、癒合が遷延するの可能性が高いため,免荷や早期内固定が勧められます。圧迫型は頚部の遠位部に生じ,若年者に多く活動制限など保存的に治療することが多いです。
●虫垂炎
整形外科的疾患だけでなく、内科的疾患も股関節周囲に症状を及ぼすこともあります。
虫垂炎は10〜20歳代に多く、便の塊や食物残渣、腫瘍などが虫垂の入り口を塞ぐことで、二次的に虫垂内部で細菌が繁殖して感染することで発症します。
初期には心窩部に痛みが生じ、数時間経過すると炎症が壁側腹膜に及び右下腹部に痛みを生じるようになります。
McBurney点(右ASISと臍を結ぶ線の外側 1/3の点)の圧痛や腹壁を押して手を離すときに痛みが強く出るBlumberg徴候が虫垂炎で有名な徴候です。
また炎症が腸腰筋にまで及んでいるケースでは左側臥位で,右股関節を伸展させると右下腹部に痛みが生じます。
その他にも股関節脱臼や大腿骨頭壊死、尿路感染、腫瘍などの重篤な疾患もあります。
怪しいと思ったらすぐに医療機関の受診を勧めましょう!
問題があるのに放っておくほうが危険です!何も問題なければそれはそれでいいと思います。何もないことが確認できればそれは安心にも繋がりますしね!
GPの分類と整形外科テスト
GPの原因組織は内転筋、腸腰筋、鼠径管、恥骨、股関節の大きくこの5つに分類することができます。
その他にも、神経の絞扼や腰椎関連などによる鼠径部痛もありますが、今回は鼠径部周囲の組織の鑑別方法ついてお話していきます。
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