メラトベル。 お薬のはなし。
2020年6月にメラトベル(一般名:メラトニン)という新薬が発売されました。
子供も大人と同様に4~5人に1人は、何らかの睡眠の問題を抱えているといわれます。
「自閉スペクトラム症(ASD)」や「注意欠如・多動症(ADHD)」などの発達障害(神経発達症)の子供は睡眠障害を合併することが多く、これまで承認された睡眠改善薬がありませんでした。
メラトベルは、発達障害の子供に対して保険適用で使える国内初の睡眠改善薬になります。
また、メラトニン受容体作動薬に分類される睡眠薬になります。
これまで発売されていたロゼレムと同様ですが、メラトベルは体の中で作られているメラトニンそのものです。
同じようにメラトニン受容体に刺激するように働きます。自然な眠気を促し、リズムを整えていく薬です。
メラトベルは、神経発達症(自閉症スペクトラム障害やADHDなど)の子供(6歳~15歳)に適応が認められた薬になるので、一般の睡眠薬としては処方することができません。
✅メリット
・自然な眠気を強くする
・入眠障害を改善する
・リズムを整える効果が期待できる
・依存性が極めて少ない
✅デメリット
・適応疾患が限られる
・眠気が残ることがある
・フルボキサミン(抗うつ剤)との併用が禁忌
・ジェネリックが発売されていない(薬価が高い)
睡眠障害が発達特性を強めてしまっているような場合には、メラトベルが良い適応になります。
同じメラトニン受容体作動薬であるロゼレムは、子供に対しては安全性が確認されていないとして、使いにくさがある薬でした。
それを踏まえた上で、今回のような新薬が登場したことを知っていただければと思います。
個人的には成人でも適用されるようになって欲しいと思う。ロゼレムで失敗したから。同様の薬はないので眠剤で調整してるけど上手くいかない。
⚠️主治医とよく相談した上で自己責任での判断をお願いします。
悉く書を信ずれば則ち書無きに如かず