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新しい離婚のかたち

離婚でモメる人は、例外なく自分の都合を押しつける。そういう人にとって、離婚は自分のためである。それを、相手に受け入れろといっても、無理な話。

「離婚は互いのためである」「あなたの価値観を考えるに、あなたの人生は離婚で好転するはず」「離婚したあとの、我らの理想の未来はこうである」これを相手に説明したのか?たいがい、しないよね。できないんだよ。自己中な人は、相手を見ていないから。自分のことばかり考えているから。離婚することで相手の人生がどうなるのか、そこまで思いやらない。というかそもそも、相手が何を大切にしているのか理解しない。普段から相手を見ていないから。

私はしたぞ。ビジョンを描き、相手の利益を考えるのが得意だから。それくらい当たり前にできるほどには、結婚生活を通して、元夫の価値観を理解していた。

彼が何を大切にしているのか。どんな状態でありたいのか。それに対して現実はどうなのか。彼がどう生きていきたいのか。だからこそ、この結婚生活のどの部分が彼の人生の成功を阻んでしまっているように見えるのか。本来は、どうあるべきなのか。を話し合った。というか私の見解を伝えた。

離婚とは一般的にネガティブなイメージがある。同時に、誰かの我慢のうえに成り立つ結婚継続も不自然だと思う。

悲しい離婚、我慢の結婚継続。この二択ではないはず。第3の選択肢をつくれるのではないか?新しい離婚の形を、我々ならクリエイトできるのでは。私はそう思う。なぜならば、あなたも私も、創造的な人間だから。人がやっているかどうかは関係ない。私たちが必要とするかたちを、私たちがつくるんだ。私は、あなたと私ならそれができると信じている。だから、やってみようよ。と伝えた。

すると、元夫は理解し、受け入れ、主体的に「新しい離婚のかたち」を考えだした。前向きでしかない動き。

なぜこのような提案が通ったのか。それは、この提案が、元夫の価値観や性格特性を理解したうえでつくられた、オリジナルプランだから。

アーティストである元夫は、制度に迎合するのを嫌う。誰かが構築した、既存の仕組みに自分を合わせるのが不得意である。そして彼は、人と違うことをするのに抵抗感がない。

だから、自分たちなりに新たなパートナーシップを構築することで結婚制度に問題提起をするのは、元夫にとって心地よい行為なのである。彼のアイデンティティを尊重しながら、私の心地よいかたちを作りだす、最良のプランがこの「創造的な離婚」であった。

離婚に際して私が提案したのはこちら。
・離婚を選ぶから、我らは幸せになる義務がある。
・自分たちが幸せになり、子を幸せにする義務がある
・このシステムはどちらかが倒れたら成立しない。互いのために、離婚後も、互いの人生の成功のため協力し合ったほうがいい
・たいがいの離婚は「減る」。収入が減る。人間関係が減る。幸せが減る。そうじゃない。我らは逆ね。コンセプトは「増える離婚」です。互いの人間関係が広がり、それが子どもにもよい影響を与え、我らの収入は増え、幸せになる。そうしましょう

また2人で決めた運用ルールはこちら。
・徒歩10分圏内にそれぞれ居を構える
・週に半分ずつ子どもと過ごす
・互いの仕事の都合で協力し合う
・子の養育費用は半分ずつ

暗黙のルールはこちら。
・互いの悪口を言わない(我らからすると、自分の人生の一番の協力者である相手の悪口を言う理由がない。発想も生まれない。悪口どころか、感謝しかない)

そして、あれから7年。日々、連絡をとりながら、子どもを大切にし、互いに協力しあっている。互いの交友関係は広がり、一緒に行動するときもある。私は仕事を楽しみ、向こうはいいところに住みながら良い車を買った。家族で誕生日を祝い、ときどき旅行に行く。

ということで、よく聞かれる、うちの離婚の話でした!誰かの参考になれば!

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