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コムジョの尺八歴史探訪📖

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尺八の歴史をマニアックに探究中✐ 虚無僧の実態を探ります!
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2021年12月の記事一覧

風陽さんの独り言。

江戸末期に生まれ、三代目黒沢琴古の高弟であり琴古四代目の、お侍さんである久松風陽 。 私は尺八を始めて5年ほど経った時に久松風陽の『獨言(ひとりごと)』に出会いました。以来、彼の言葉は私の中ではとても重要な指針となり、お守りとなっております。 まずは、 久松風陽を知るべし! 久松風陽ザッと略歴。 天明五年(1785)生まれ(本当は1791年生まれ) (「本当は1791年生まれ」というのは、尺八研究家の神田可遊氏曰く、昔は代を継ぐのに跡継ぎの子どもが若く、年数が空い

「調子」大研究!

古典本曲では一番最初に覚える『調子(ちょうし)』という曲があります。 虚空や虚鈴の前奏曲とされる、とっても大事な曲です。 が、 意外と詳しくこの曲を語られることが無い…。 しかも曲名が「調子」ということで何となく他の古典の曲よりも重みがかんじられないような…。「このお調子者!」の「調子」ですものね。 別名に、本手調子、竹調べ、明暗調子、京調子、洛陽調子などと呼ばれています。 浦本浙潮師曰く、 「本曲吹きは、先ず竹を手にして最初に吹くのがこのたけしらべであり、またそ

虚無僧の帯と、尺八袋房紐の結び方講座!!

『虚無僧の帯・尺八袋房紐の結び方』 戸谷泥古〈本曲研究家〉 帯 一、本結び〈短冊結び〉 帯は二廻り半強以上の長さが要る。 まず二廻り、または三廻り巻いてみて、手(結ぶ部分)の長さ(左右均等)を決める。片方の手を前に残して巻き始め、終わったら交叉させる〈1〉。次いで、竪(タテ)結びにならぬように、逆に交叉させ〈2〉、固結びにする。結び目を内側に押し込める〈3〉。手を短冊型に折って、帯の内側を上から下に通す。形を整えてから結び目に手を当て〈4〉、他方の手で帯の後を把んで右方向