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【クリエイティブ生活】ファンタジー背景世界の作り方〜過去の歴史をざっくりと作る【その7】

 世界を創造するクリエイターcreatorの皆さん、この記事を読んでくださってありがとうございます。

 前回の記事はこちらです。

 マガジンにもまとめてあります。


 本題に入る前に、別世界をクリエイトするメリットをまたお伝えします。

 私は小説が一番得意ですが、イラストや漫画、ゲームを作るのが得意な方もおられると思います。一度別世界を形作れば、セルフメディアミックスがやりやすくなります。

 別世界は基盤であり土台です。一度創れば、キャラクターやストーリーを動かす土台ができあがります。キャラクターだけ、ストーリーだけより、長い目で見ると楽なのです。

 したがって、メディアミックスもやりやすくなります。土台がしっかりしているので、新たなキャラクターやストーリーも、比較的楽に生み出せる上、他者の創作物との差別化もやりやすくなります。

 私は『のべるちゃん』で、小説の他にもサウンドノベルを作りました。

 こちらは同じ別世界で、違うキャラクターの物語を展開させたものです。

 このように、基盤となる別世界の創造は、その後の創造を楽に、より楽しくしてくれます。

 さて、本題に入りましょう。今回は創造した別世界の過去、すなわち歴史を創ってみます。

 あなたの別世界は今どうなっていますか? そこから逆算して過去にさかのぼってゆきます。

 5番目の記事でサンプルとして創ったテールス大陸を覚えていますか? ここでも、テールス大陸をサンプルに過去の歴史を創ります。


 テールス大陸は、五つの特徴的な村が東西南北と中央にある大陸です。

 先に申し上げておくと、私は大ざっぱな人間です。ざっくりと全体像を創るのは比較的得意ですが、細部を矛盾なく精緻に作るのは、どちらかというと不得意な方です。

 そんな私のやり方です。5番目の記事で地理と歴史を創りますと書きました。ここでは、歴史(過去)と地理(現在どうなっているか)を同時にやっていきます。

 なぜなら過去により現在は決定されるからです。

 具体的に例をあげてみます。昔、戦争がありました。アルファ国とベータ国が戦い、ベータが勝ちました。と、します。

 その後、アルファ国が支配されるか滅ぼされるか、ベータ国が優位に立つ講和を結ぶのか。いろいろパターンはあるでしょうが、いずれも現代は、ベータ国(人)がアルファ国(人)より優位にあり、それをくつがえすには、新たな出来事が起こらねばならないのです。

 あるいはこんなものはどうでしょうか?

 砂漠の中に村がありました。水が湧く豊かなオアシスの村から水を買わねばならないのでいつも貧しいままでした。

 ある時勇者が皆のために水の湧く井戸を探し出し、それ以来村は水の豊かな土地になりました。

 現状の村は、水の豊かな砂漠の中の土地です。過去には勇者が井戸を見つける冒険がありました。

 このように過去は現代を決定します。逆に言えば、別世界の現代にあるものとして何かを決めれば自動的に過去もある程度決めやすくなります。

 その人のインプット量や発想力によっては、選択肢はかなり増えます。ここでは初心者向けに創作技法を書くのですから、選択の幅は狭めだと仮定しています。

 インプットも発想も大事です。しかしあなた方はおそらくまだ別世界を形作る経験はなかったのではありませんか? 今はまだ選択の幅は狭くてもいいのです。

 とにかく世界を創造する楽しさを知ってください。この一連の記事の一番の目的はそこにあるのです。

 そんなわけで、初心者が別世界を創造するという目的からすれば、インプットの少なさによる発想の幅の狭さも、『今は』利点になり得ます。

 さて、テールス大陸の東には内海があり、内海には島があり、その島全体が村になっています。島に暮らすのは、人魚にも人間にもなれる種族です。

 イタリア語で人魚を意味するシレーナ族とします。村の名もシレーナで、シレーナ島にあります。

 過去には何があったのでしょうか。 

 内海の島なので、陸の脅威からも大海の脅威からも比較的守られた土地ですね。過去には様々な苦難があり、シレーナ族の先祖は、ようやくこの地に安住できたのかも知れません。

 内海で食べ物を充分に確保するために、貝や魚の養殖をするようになったかも知れません。農業はせず、人間のように、野菜やじゃがいもを食べなくても生きられるのかも知れません。(逃げろ、じゃがいも警察が来るぞ!)

 過去の脅威を忘れていないなら、今でも内海の周辺部に警戒を怠(おこた)らないでしょう。めったに外の世界には出て行かず、よそ者には冷たい態度をとるでしょう。場合によっては、無理やり追い出すこともいとわないでしょう。

 と、このように過去(歴史)と現在(地理的な要素)を設定します。

 ちなみに、もしあなたがまだ学生時代の地理や歴史の教科書や副読本を捨てていないなら、けっこういい資料になってくれるかも知れませんよ。

 今回はここまでにします。

 お読みくださってありがとうございました。あなたのクリエイティブ生活のヒントになりますように。

続きはこちらです。


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