【和風ファンタジー】海神の社 第七話【誰かを守れる人間になれ】
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あくる朝。希咲は宮部に会いに屋敷を一人で訪れた。海神《わだつみ》の社《やしろ》を離れるのは本当に久しぶり、七年ぶりになるのだった。
宮部家の屋敷は荘園の中央にある。周囲に山茶花《さざんか》で垣根をめぐらし、外からは桜の木が何本も見える。桜の葉は色づいて落ちるのを待っていた。
檜造りの優美な屋敷は、垣根の外側からはあまりよくは見えない。一階建ての広々とした建物を四つ、屋根のない渡り廊下でつないでいる。そこから北側には、召使いたちが仕事を