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第七回「スリーダーティドワーブズ」
私はゲームを作るお仕事をしております。沢山のゲームを遊んできました。どれもこれも楽しく思い出深いものです。あまり知られていないけれどもキラりと光る好きなゲームを紹介していきたいと思います。少なからず影響は受けているのではないかと思います。
記念すべき1本目は、32bit機戦争真っただ中の1996年にセガサターンで発売されたベルトアクション型ゲーム、スリーダーティドワーブズ(Three Dirty Dwarves)です。訳:3人の汚いドワーフたち。売れる気が全然しない男らしいタイトル。以下TDDと略します。
開発はハンガリーで設立されたゲーム会社アパルーサインタラクティブ(Appaloosa Interactive)旧社名はノヴォトレードインターナショナル(Novotrade International)で、あの有名なイルカゲー、エコー・ザ・ドルフィン(Ecco the Dolphin)を制作した会社です。2006年に廃業。
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1993年主人公エコーを操作し海を冒険する。
この作品とFC版「ドラえもん」のおかげで
「タコは怖い」と学べた。
TDDはベーシックなベルトアクション型のステージとミニゲーム的なステージ、ボス戦で構成されています。またオープニングや道中でもアニメムービーが挿入されお話を補完できるようになっています、が、それだけでは設定を理解することが難しく「なんなのこれ?」と思ったプレイヤーも多かったことでしょう。自分も良く理解していませんでした。
■ストーリー解説
現代のアメリカ。ブリックス将軍が統率する軍の施設内で遺伝子操作を受けた4人の天才少年少女たちが、その能力を使わされ兵器開発をさせれていました。彼らは施設から抜け出したく、いつも遊んでいるダイスを使うファンタジー系ボードゲームに登場するキャラクターのドワーフたちを現実世界に召喚させます(天才だから)ドワーフたちは宇宙空間から飛来。大気圏突入の際に装備していた武器と鎧を失ってしまいます。落下先はスポーツ用品店でした。彼らはそこで「野球のバットとボール」「ボウリングの玉とピン」「ショットガン(なんでや)」を手に入れ子供たちを助けるために軍の施設に向かうのでした。道中ではドワーフたちと一緒に召喚されてしまったオークや変態たちを倒してことになります。
ベルトアクション型のステージは「攻撃」「ジャンプ」「仲間と入れ替え」「必殺技」とシンプルな操作になっています。ならんだ3体のキャラクターの先頭のキャラクターを操作します。ライフの概念はなく1回でも攻撃を喰らうとダウン、次のキャラクターと強制交代です。ダウンした仲間はその場に座りこんでしまい操作できなくなるので「殴って」復帰させます。手荒いリスポーンみたいな感じです。3人全員ダウンするとゲームオーバー。シンプルながら良くできているライフシステムです。
ステージに落ちているダイスを拾うとゲージ(頭蓋骨)が増加します。消費する事で必殺技が使えるようになります。
レア周辺機器の「マルチターミナル6」を使用すると最大3人でプレイする事が出来ます。
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2つ繋げると「サターンボンバーマン」を
最大10人で遊ぶことが出来た。
実際やった人いる?
■主人公紹介
3体のキャラクターには個性があり使い心地が異なり面白いです。
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グレッグ(Greg)真ん中
バランス型。ボールを上空に複数投げボールにタイミグよく攻撃を当てる事で連射できる。近接攻撃も強い。短気。
タコニック(Taconic)右
近接攻撃が素早い。ボウリングの玉は多段ヒットすることがあり上手く使うと大ダメージを与えられる。短気。ぶっ壊れ。
コルソグ(Corthog)左
ショットガンをぶっ放す。一番頭が悪い。
■個性的な敵たち
道中で出会う敵たちも、かなりネジがぶっ飛んでいる方々で、
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遅れて消えるこだわりよう
ネイキッドニンジャ
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それぞれの敵は強いわけでは無いのですが、謎解きにも近い攻略が必要だったり、組み合わせでかなり癖の強いゲームになっています。世界観、登場人物共に人を選ぶと思いますが自分は刺さりまくりました。
■なんでもアリなステージ
ベルトアクション型ステージ以外にも様々なクリア条件が設定されたステージが用意されています。
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マッチョたちがビルを持ちあげ攻撃してきます。
投げつけられたプロテインに当たると
キャラがマッチョになってしまい死亡扱いに。
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頭蓋骨を打ち返し敵を倒して塁を進める
オリジナルルール。
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鉄球で破壊するボス戦。
個性豊かですね!飽きさせない姿勢が非常に勉強になります。脈絡?そんなものはこのゲームには存在しません。とにかく子供たちを助けに行かなければならないのです!
■音楽
このゲームはビジュアルもゲーム性もなかなか強烈なのですが音楽が素晴らしいです。サウンドディレクターはアンディ・アーマー(Andy Armer)さん。エターナルチャンピオンズ(ETERNAL CHAMPIONS)エコー・ザ・ドルフィン2(Ecco: The Tides of Time)なども担当されています。コンポーザーはエコー・ザ・ドルフィンを担当された方々が参加しています。
「Streets of bronx」タイトル曲
「The stadium」野球のシーン
「Trolley ride」トロッコ強制スクロールステージ
「Barney's machines」最終ステージ
まだ日本で「洋ゲー」という言葉が一つのゲームジャンルだった時代の名作だと思います。ベルトアクション型ゲームに大量のスパイスをぶち込んだ意欲作。他の家庭用ゲーム機や現行機に移植されることもなく(Windows 95版はあります)なかなか遊ぶことが難しいゲームですが機会があれば是非この作品のノリと空気感を体験して頂きたいです。
では、また。
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