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Ender3-v2改 ビルドプレートの変更
はじめに
車用の部品を作る機会が結構あるのですが、高温にさらされる車内で使うためにPLA樹脂では溶けてしまうため、ABS樹脂を使わざるを得ません。
ただ、ABSフィラメントは収縮による変形が大きいのでかなりの高確率で造形に失敗しています。
収縮の程度は形状や環境温度にかなり依存していて一貫性が無いのですが、初期のレイヤーがはがれずに造形できればその後は収縮の影響も少なく造形が完了できることが分かってきました。
今まではEnder3-v2純正のガラスプレートにスティックのりを塗って対応してきましたが、塗るのもめんどくさいし掃除も大変なのでこれを解決するためにビルドプレートを変更してみることにしました。
ビルドプレートの選定
ABSで造形する際にスティックのりを使うのは常識みたいなものですが、うまく造形できてもガラスのビルドプレートに強固に密着するので剥がすのが一苦労なんですよね。
造形物が剥がしやすいビルドプレートということでマグネット式から選定します。
探すといろんなものがあるんですね~。さすがEnder3シリーズです。
スティックのりを使わずに密着できてマグネット式ということで、今回はCreality純正のPEIのビルドプレートを選定しました。
Amazonのリンク貼っときますが、実際はAliExpressで発注。
1週間で納品されました。
ビルドプレートの交換
さっそく開封して設置していきます。
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![](https://assets.st-note.com/img/1663727966529-cCjSkGZ36V.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1663728009307-EiRHqZzgzy.png?width=1200)
中身はばね鋼板にPEIシートを貼ったビルドプレートと、裏面に両面テープが貼られているマグネットシートです。
純正だけあってEnder3のヒートベッドのサイズピッタリです。
![](https://assets.st-note.com/img/1663728108280-piGaUe4APc.png?width=1200)
ビルドプレートの裏面はばね鋼のまま。
マグネットシートの両面テープは3M製です。
たまに偽物の3Mだったりしますが、これは本物っぽい。
![](https://assets.st-note.com/img/1663728376996-X0DZfYumrg.png)
マグネットシートの厚みははくり紙込みで1.5mmほど。
ヒートベッドの伝熱にどの程度影響するか?
センサーで設定温度になってからしばらく時間をおいて造形開始するとかの工夫が必要になるかもしれませんが、その辺の判断はしばらく使ってみてからになりますね。
ガラスの方は4mmの厚みがあったので比較的変わらない感じかもしれません。
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![](https://assets.st-note.com/img/1663728533085-pTA8vBLpeK.png?width=1200)
ガラスのビルドプレートを外して脱脂、洗浄します。
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ヒートベッドにマグネットシートを貼り付けます。
しっかりとスキージを当てながら密着させます。
空気が入ってしまうと平面度が損なわれるし、空気の層が断熱してしまう原因にもなります。
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綺麗に貼れました!
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ビルドプレートを置けば完成です。
マグネットシートの吸着力が想像よりもはるかに強いです。
いちいちくっつくのでビルドプレートを定位置に置くのが結構大変。
これなら何かの拍子にずれてしまうこともないですね。
PEIシートの保護フィルムは使用前に剥がしましょう。
見た目も金色でかっこいいっすね!
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PEIシートは消耗品になります。
他の方のレビューを見ると毎日造形しても半年くらいはもつということだったので、私のペースだと2年くらいはもつのかもしれません。
2年後には新しい3Dプリンターを買ってそう(笑)
造形テスト
ちょうど車載用のUSB充電器のケースを造形しようと思っていたところだったので、これを使ってテストしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1663729258107-AyKLt3SFEa.png?width=1200)
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一発目でめっちゃ綺麗にできました!
そしてプレートが冷えてから剥がすと気持ちよくペリッとはがれてくれました。
それではガラスで成功したものと、今回のPEIプレートで成功したものを比較してみましょう。
ちなみに↓はガラスのビルドプレートでの失敗作品。
![](https://assets.st-note.com/img/1663729530780-hSJxbXS9MA.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1663729552947-FaU4ySflhq.png)
これまでは毎回こんな失敗作が何個もできてしまっていたんですよね。
![](https://assets.st-note.com/img/1663729762408-7qATaaAbg0.png?width=1200)
左がガラスプレート+スティックのり、右がPEIシートです。
Z軸のオフセット量が違うので単純比較はできませんが、めっちゃ綺麗!
なにより全く剥がれていません。
ガラスプレートの時はZ軸のオフセットを攻めすぎるとのりの効果がなくなってしまうことが多くて、PLAに比べて甘めのオフセット量にしていたので左のような表面になることが多かったのですが(触るとつるつるしてるんですけどね)、PEIプレートだとここまで綺麗に表面を作ることができました。
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裏側から見た感じはほとんど同じように見えます。
でも壁面の凸凹感がPEIシートの方が少ないかも。
ガラスプレートの方は正面左上に少し収縮がみられていたので、もしかすると造形中にヘッドに引っ張られて造形物が揺れていたのかもしれません。
![](https://assets.st-note.com/img/1663730539971-mqPmuB9fk4.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1663730516075-wmftY2Xs3e.png)
基板もきっちり収まり、寸法の狂いもありませんでした!
感動!!
さいごに
PEIシート+マグネットシートはめちゃくちゃお勧めできます。
ABSでの造形を安定させるためにエンクロージャーを作ろうと思っていたんですが、PEIシートでこれだけしっかり出せるのであれば私の用途ではエンクロージャーは不要かもしれません。
確実にABSの造形ができるようになったので、今後はフィラメントもABS主体でそろえていこうと思います。
ちなみにTPUでの造形をPEIシートでやったら全然剥がれてくれなくてPEIシートを傷めました(笑)
みなさんも気を付けてください。
それでは、またの機会に~!
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