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友達、だったひと

友達だった人がいる。
出会いは某女性コミュニティ。

当時私は感情解放系のセッションを他人に施すべく学んでいて、師にあたる人のメルマガに私が載っているのを見たらしく、声をかけてくれたのがはじまり。

彼女も彼女で精神世界のことを学んでいるらしかった。
お互い共通の知人がいたりなんだりで、よく食事に行くようになった。

彼女はマシンガントークが特徴で、当時聞き専だった私は笑い転げながら彼女の話を聞いていた。
そのうち、彼女のマシンガントークは不安を隠すためなんだな、というのがわかってきた。言葉の端々に心の不安定さが垣間見えていた。

ある時から、そんな彼女に不安が見られなくなった。話を聞いているとどうやら彼氏ができたとのこと。
その頃には私の友人とも仲良くしており、友人たちと共に祝福した。
その後どのタイミングだったかは忘れたけれど「彼には奥様もお子さんもいる」とカミングアウトされた。

彼女が自分で決めたことだし、と私はスルーすることに決めた。
内心はちょっと複雑だった。
社会的な観念もあるけれど、それ以上にそういう人を選んで苦悩し悦に浸っているように見える彼女が嫌だった。

彼女とは会う時も連絡するときも彼女の方からだった。
当時の私は断れない性格で、マシンガントークを浴びせられにのこのこ行ってた。
「彼」の話はしたくなかったから私から話題には出さずにいるのだか、彼女のほうからガンガン話してくる。話をそらしても戻してくる。私が自分の話しをしてもナチュラルに遮って戻す。
そんな時間を過ごし帰宅すると、上着も脱がずにソファに倒れこんでしまう。
もはやマシンガントークはただのマシンガンだった。

ある時、私と別の友人の間である恋愛本が流行った。
そこには不倫についても書かれており、不倫した女性がもとの恋愛の価値観に戻るまでに不倫した期間の3倍必要とか色々と書いてあった。
その本を彼女にも伝えた。
何か気づくといいな、という、ほんの少しの願いも込めて。

読んだよ、との彼女からの連絡。
「でもこの不倫についての部分は彼がこうだから私は違う、私は大丈夫」というような内容だった。

この本には「不倫をする人は自分のことも相手の男性のことも自己正当化する」と書かれていて、そのまんまだな、と、ちょっと笑ってしまった。

彼女との連絡の間隔を少しずつ空けたりしている中で、彼が奥様と別れたということを聞いた。
その彼は意気消沈しているらしく、彼女はそれが不満なようだった。

「彼」が「彼」であったのは、奥様ありきだったのだろう。
彼女は自分を埋めてくれる「彼」でなくなったことに対する不満を口にしているけれど、話しを聞く限り気づいていたであろう元奥様から慰謝料請求や社会的制裁されなくて感謝モノなのでは、としか思えず、また不安定さを見せている姿は哀れですらあった。

完全に彼女とは連絡を取らなくなった。
去年の誕生日にAmazonほしい物リストを公開したら、彼女からプレゼントが届いた。

御礼を伝えるために久しぶりに連絡した。
何か変化はあったのだろうか、と思いつつ。

が。
ああ、何も変わってない、むしろ悪化している可能性が高い、という内容の返信。
プレゼントしたから話聞いてくれるよね?という下心が伺えた。

不思議な感情だった。
そうかぁという落胆のような、やっぱりかぁという納得のような。

彼女がどんな心持ちでいるのかはわからないけれど、私に甘えているのだろう。
彼女のマシンガントークをただただ聞くことのできる人間は、おそらくそういない。

けれど、私はもうそこに時間は割けないし、嫌なことをなかなかハッキリ言えない自分を尊重しているから、嫌なことが起こる確率が高い物事や人・場とは距離を取ると決めている。
だから今のところ彼女と連絡を取るつもりはない。

彼女からはたくさんのことを学ばせてもらった。

自分を他人で満たすと、失った時に被害者意識が高まり冷静でいられなくなること。
被害者意識が高いと人を人と思えなくなること。
自分を満たす術は自分の手で作り出すものであること。
不倫はそれを聞いた他人にも影響が大きく、人間関係に亀裂が生じること。
ただ話を聞き同意するだけでは相手を依存させる可能性があること。
対等だと思っていた相手の話を聞く一辺倒になると、体力を消耗すること。
不快な話を聞きづけると消耗が激しいこと。
不快な時はキッパリ関係を断った方が良いこと。

まだ消化できていない部分もあるけれど、彼女に関しては、これにて一旦区切りをつけようと思います。

願わくば、彼女に幸があらんことを。

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