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思い出

小学校から中学校にかけて、仲良くしていた友だちのあの娘のことを、時々思い出す。

学校では、トイレに行くのも一緒。登下校も一緒だった。

ある日、いつものように、手を繋いで草むらを並んで下校する途中、あの娘は手を強く握った。強く強く。ふざけているのか、何か伝えたいのか、考えているうちに、涙が溢れてきた。

あの娘は、慌てて笑って、ごめんごめんって謝った。ただふざけていただけだったようだ。わたしも、泣くつもりじゃなかった。

内気だったわたしと、活発なあの娘は、無いものを補いあっていた。

卒業して離れ離れになる時に、交換したメッセージカードに、変な意味じゃなく好きでしたと記されていた。

中学校で、わたしが好きだった男の子は、あの娘が好きだった。小学校では、同じ男の子から、ラブレターをもらったりしたこともあった。

卒業してからも、時々会っていたけれど、だんだん疎遠になってしまった。

どうしてるだろうって、たまに思い出す。転校して内気だったわたしをいつも引っ張って、明るいところへ連れて行ってくれたあの娘。

わたしだって、大好きだった。

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