大学院に行く意味
大学院に行く意味って、あるのだろうか?
私は今まで、ずっと自問してきました。
院卒のが年収が高い?出世できる?
確かに院卒の初任給は、学部卒よりわずかに高いです。
しかし、高い学費を払って大学院に2年通ってる間に、学部卒は社会に出て、立派に稼いでいます。
この2年のブランクを考えたら、生涯年収は学部卒のが高いでしょう。
学部卒・院卒なんて、入社して数年経てば関係なく、実績と能力で給料が決まります。
院では専門性が身に付く?研究を続ける意味は?
学部では授業をたくさん受け、専門知識を吸収します。
一方、大学院では研究ばかりになります。
1つの研究テーマを極めることは、頑張れば可能かもしれません。
ただ、それによって得られる専門性は狭すぎでは?と…
仮に研究・開発職に就くとしても、会社では、修士で取り組んだ研究とは全く別の研究をする場合がほとんどでしょう。
アカデミアの道に進むなら話は別ですが、就職するなら浅くでもいいから幅広く知識をつけた方がいいのではないか…
と思ったりもしました。
まぁ、研究・開発職なら修士卒じゃないと採用しない企業が多いので、仕方ないかもしれませんが…
でも、研究とは無縁の官僚を志す私にとって、わざわざ高い学費を払って、研究を続ける意味が感じられませんでした。
迷った末に…
修士1年で国総に最終合格したときは、かなり迷いました。
修士1年で官庁訪問し、中退するか。
それとも、修士2年で官庁訪問し、無難に卒業するか。
結局、後者を選びました。
理由は2つあります。
1つ目は、修士号を取らなければ、この1年学費を払った意味がないこと。
2つ目は、弊省の技術系の内定者は、院卒が多かったこと。
修士号を取らないで、将来後悔することが、もしかしたらあるかもしれない、と思いました。
よく考えると、もし学部時代に就活していたら、かなり大変でした。
学部3年は、授業や実験が朝から夕方までびっしり詰まっていました。
学部4年は、たった1年で卒業研究を完成させなければいけませんでした。
とても忙しかったです。
就活していたら、キャパオーバーでパンクしてたでしょう(笑)
しかも、コロナ禍真っ只中で入社1年目を過ごすことになっていました。
一方、大学院では、論文提出前など忙しい時期も少しありましたが、ほとんどの期間は暇でした。
2年かけて研究できる上に、研究に慣れているので、余裕があるのです。
また、コロナで入校制限がかかり、研究をしなくていい時期も多かったです。
休みながらゆっくり研究を進めても許される、ゆるい環境でした。
大学院の2年間は、私にとって「人生を見つめ直すモラトリアム」でした。
修士1年の春は公務員試験の勉強に集中できましたし、就職先について吟味する時間を用意できました。
学部時代は課題に追われ、今後の自分について真剣に考えたことはありませんでした。
技官を目指そうと思ったのも、院入学直前でした。
この頃には、自分が研究に向いてないことを自覚していました(笑)
学部時代は、レールに乗って無難にメーカーの研究職になるんだろうなぁ、と思っていました。
もし学部で就活していたら、官僚という仕事に巡りあうことは無かったでしょう。
私にとって、大学院に行ったメリットは、以下の3つだと分かりました。
院に進学することで、就職先の選択肢を広げることができたと思います。
大学院に通って良かったと、今は前向きに捉えています。
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