きいてたんとちがう
こんにちは。
相続の手続きをしていると、戸籍を読むのが日常になります。
戸籍制度なんて廃止してしまえと多くの人が思っていらっしゃるかもしれませんが、
個人的には、戸籍を読むのは結構味わい深くて好きです。
特に手書きで癖が強くて何が書いてあるのかよくわかんないレベルを、前後の文脈と形から読み解く作業が好きです。
とはいえ取得の手続きは慣れていないと大変なので、申請者が申請権限を明らかにして、期間を指定して申請したら、本籍地の市町村ではなくても発行してもらえるようなシステムができると便利だなとは思います。
さて戸籍を読んでいると、「お伺いしていたお話と違う」というシチュエーションになることがあります。
ご相続人様によると「亡夫の子供は2人です」とのこと。
でもご面談後に戸籍を収集していると、あれ、ということがあります。
前の配偶者との間のお子様が出てくることもありますし、故人が女性ですとお若いころに産んだお子様が出てきたり、解消されていない養子縁組が明らかになったりして、相続人が増えることは結構あります。
ご相続人様からしても、故人から「聞いていた話と違う」という予想外の展開です。
この認識されていない相続人様というのは、遠くの土地でその他の相続人様とは一切連絡等とらずに生活してこられていることが多いですが、法律上「相続人」には違いありません。
そしてみんながみんな日本にいてくれたらまだいいのですが、アメリカとかフィリピンとか香港とか、遠くにいらっしゃることもあります。
書類のやりとりも大変ですが、場合によっては生育環境が大きく異なり、遺産分割に対する考え方も「お察しください」では通用しないことも多々あります。
このように戸籍の収集段階で、今後の相続手続きは大きく変動しうるため、私たち専門職は戸籍の収集が完了してから、書類の作成等をさせていただいています。
ご依頼者様からすると「相続関係はシンプルなのでさっさと進めて」というお気持ちになるかもしれませんが、結構起きることなので。どうか慎重になることをお赦しくださいませ。
写真は昨日登記の完了後謄本を取りに九段下へ行った時の写真。この季節は空気が澄んで木々も色づいて本当に綺麗。
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