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思ってたんとちがう妊娠

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「妊娠」っちゅうのが思ってたんと違いすぎて 病んだり狂ったり入院したり感動したりした話。 ※2018年〜2019年頃のエピソードです。
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思ってたんとちがう出産 ~ 激闘出産レポート編 ~

「3070gの女の子を出産しました♡ 産声を聞いた瞬間涙が… 私たち親を選んで来てくれたこの子と、そばで支えてくれた旦那さんに目一杯の感謝を伝えたいと思います♡」 ……のような、きらびやかな出産レポート。 生命の誕生という感動の瞬間。 信じてはいけない。 壮絶という言葉に込めた、誰も教えてくれなかった出産のリアル。 ▼定義【母となる者】29歳、痩せ型、体力自信なし 【父となる者】25歳、痩せ型、睡眠欲強め 【環境】里帰り出産 【出産経験】なし ▼妊娠経過つわりで妊

思ってたんとちがう妊娠 ~ 糖が出た編 ~

年下の夫が進化を遂げて神になり、なんとか妊娠後期に突入した。 私も夫も細身で、ちまっとした小柄な子が出てくるもんだとタカをくくっていた。 ところが、いつも穏やかな笑顔でぼそぼそと喋る産婦人科の先生が遠慮がちに言う。 「あ、あ、赤ちゃんちょっと、お、おっきいね」 「あ、あとかすみさんちょっと、連続して糖がプラスだね」 いやそんなはずはない。私も夫も努力しても太れないタイプの 「に、妊娠糖尿病の検査したいんよね、念のため」 妊娠糖尿病は、糖尿病の既往がなくとも妊娠期

思ってたんとちがう妊娠 〜 最後の砦編 〜

1日の大半をトイレで過ごすようになり、かれこれ7年の付き合いである夫にも今までに見せたことがないようなみっともない姿をさらすこととなった。 ふたりの子どもなのに負担のバイアスおかしくない?と思う。でもこればっかりは、男と女を創造された神の仕業なのでどうしようもない。 どうしようもなく男に生まれ結婚した相手がひどい妊娠悪阻になった夫。夫こそが、私が妊娠を続けるための最後の砦だった。 毛布妊娠検査をするまでもなく嘔気で妊娠を確信したのは秋の終わりのことだった。 いきなりクラ

思ってたんとちがう妊娠 〜 地獄のつわり編 〜

不妊治療を卒業した。喜びが襲ってくる暇もなかった。 朝起きるとなんだか気持ち悪い。 我慢できないほどではないけど重力がきつい。 なんとか遅刻で職場に出向き、定時ダッシュでクリニックへ向かった。 結果、小さな細胞が私の中に宿っていた。 妊娠したら、パートナーにどう報告しようか。 サプライズがいいか、さらっとがいいか。 結論に至らぬまま夫が帰宅する。 いつものように夕食を終え、 エコー写真でも見せてさらっと報告するかな……と思ったところで 「そういえば、赤ちゃんおるんかな

思ってたんとちがう妊娠 〜 不妊治療編 〜

上手くいかないことの原因は大抵ストレスだ。 妊活のために記録を始めてわかった基礎体温の乱れもそう。そりゃそう。 心当たりがありすぎる。 こういう物事をなんとかしたいときの思考と判断が極端かつ大胆なことで定評のある私は、まず仕事を辞めた。 副業やその他プライベートで生じるタスクも少しでもストレスを感じるものは全てやめた。 そして、妊活を始めて7ヶ月。 ついに重い腰を上げ不妊外来へと赴いた。 基礎的な検査をひと通り行い、結果異常なし。 ひとまずタイミング法で見ていきま

思ってたんとちがう妊娠 〜 妊活編 〜

子どもを作りたくて結婚したようなものだった。 やったこともないのに漠然と「子育てをしたい」という希望が成人前からあったし 私自身が客観的に見てかなりあたたかい家庭で育ったので、 親や祖父母への恩返しのような気持ちで孫やひ孫の顔を見せたいと強く思っていた。 ただし当方無計画な人間ではない。 結婚式で踊り狂う予定だった私たち夫婦は、入籍したあとも式が終わるまではしっかり避妊した。 避妊をやめればまぁ、すぐにできるだろうと思っていたわけで。 その考えが、ミルクチョコレート並