イメージの百人一首77「瀬をはやみ―」

※このノートでは、百人一首のご紹介をしています。詳細な訳や、古語の解説、詠み手の経歴などは他書に譲り、各和歌のざっくりとしたイメージをお伝えしたいと思っています。イメージを伝える際、あたかもその歌を詠んだ歌人になったかのような気持ちで理解できるように、二人称を採用しています。どうぞ、お楽しみください。

【第77首】
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ
《せをはやみ いわにせかるる たきがわの われてもすえに あわんとぞおもう》

 あなたは今、恋人と別れようとしています。この別れは不本意なものであって、あなたは別れたいとは思っていません。しかし、今は別れなければならない。苦悩の中で、あなたは一つの決意をします。滝川の急流が途中で岩にせきとめられて二つに分かれても、いずれはまた一つに合わさるように、今は別れても、必ずまたあの人と一緒になるのだと。

 崇徳院《すとくいん》

→第1首へ

→第76首へ

→第78首へ

読んでくださってありがとう。もしもこの記事に何かしら感じることがあったら、それをご自分でさらに突きつめてみてください。きっと新しい世界が開けるはずです。いただいたサポートはありがたく頂戴します。