自分の頭で考えるヒント7 ~自分の感覚を信じる~

生き方に関して、世の中にはいろいろなアドバイスがある。

いわく、「自分が好きなことをしろ」
いわく、「当たり前のことに感謝せよ」
いわく、「明日死ぬと思って今日を過ごせ」

などなど。

これらのアドバイスについては、納得できるものはそれを受け入れればいいだろう。しかし、納得できないものについては、受け入れてはいけない。たとえば、「自分が好きなことをしろ」というアドバイスに従ってみたとする。しかし、どうも、自分が好きなことばかりしていても面白くない。そういう場合は、そのような自分の感覚を信じて、そのアドバイスについて考え直してみる。たとえば、「当たり前のことに感謝せよ」というアドバイスに従ってみたとする。しかし、どうも、がんばって感謝しようとしても続かない。そういう場合は、そのような自分の感覚を信じて、そのアドバイスについて考え直してみる。

自分の感覚に基づいて、あることについて考えるということが、自分の頭で考えるというそのことである。どんなに素晴らしいアドバイスのように思えても、それに従ってみてピンと来ない場合は、その自分の感覚の方を信じてみよう。

たとえば、恋人と別れたとする。友人からすると、その恋人はロクでもないヤツであって、「別れられてよかったじゃん」と言われたとする。なるほど、確かに、友人の言うとおり、彼もしくは彼女は世間的に見ればロクでもないヤツだった。しかし、どうしても、別れられてよかったとは思えない。なぜそう思えないのか。なぜ、そのロクでもない元恋人のことを慕わしく思ってしまうのか。そこにこそ、あなたが、自分の頭で考えるべきことがある。うやむやにしてはならない。

世の人は、起こったことを処理することが好きであるし、うまいこと処理することに価値を置いている。恋人との別れという起こった事件に関して、どのように処理すればいいか、傷心をどうなぐさめて、次の恋に向かえばよいか、そればかりに気を取られている。あるいは、それが生活するということかもしれないが、そうやって、あることを処理しては、また次の処理すべきことに向かう人生とは、すなわち、自分の頭で考えない人生である。消費するだけの人生と言ってもいい。そうやって消費し尽くして人生を終えるということに、いったいどのような意味があるのか。それを考えるということが、自分の頭で考えるということであり、そのためには、自分が持っている感覚というものを、もう少し信じてみるといい。

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