見出し画像

【後編】手話通訳者養成講座修了者に聞く34の質問【受講を勧めますか?】 | #175

かつお 続いては「受講して良かったことと受講の課題点」の2つを聞きたいときています
あさり よかったことは…今も実際仕事として通訳の仕事をしてるので手話通訳自体がどんなもんかとか、どういうふうに見られるかみたいな… なんとなく分かってきたつもりなんですけど。なんかそのベースとしての心構えみたいなものとかを倫理とか…別にそんなこと常に考えて仕事するわけじゃないんですけど、そういうベースみたいなのを何も知らなかったので。
やっぱりそういうことを、講座の中でどういう風に振る舞うべきかとか…そういうところを学べたのがすごい良かったですね

かつお 大学の時もサポート入ってたっておっしゃってましたけど、それとは全然違いますか?
あさり その専門職として本当に情報をちゃんと等価で…自分の意見が入ってないか、実際そういうトラブルになった時にどう自分が振る舞うかとか結構職業・手話通訳としての心構えみたいなを仕事でやってるの、かつ、講座でやってるのがすごいリンクするので…
かつお なかなか手話通訳者養成講座やってて、かつ仕事の中でも使える機会がある人って少ないですよね。あさりさんは確かなんか前に聞いたのは元々違う仕事やっててで手話との関わりベースで仕事探したみたいな…それはどうやって探したんですか?
あさり ネットで「県名 手話通訳」ってあのよくやってるIndeedとかなんかそういう普通の転職サイトで調べてたまたま見つけました
かつお ですって!すごくいいかもしれないですdodaのリンク貼っておきますよ
あさり Indeedやったかな?
かつお Indeedのリンク貼っておきますよ!

かつお では課題点はありますか?
あさり 課題点…これちょっと受けてないと分からないかもしれないですけどコミュニティ通訳がベースになってるなあと思ってよく悪くも
かつお 「コミュニティ通訳」というのは?
あさり 病院とか福祉のそういうサービスを受けるときの通訳とか手話通訳の現場って学校と病院がほとんどで。
かつお そうなんですね、学校と病院…
あさり そういう本当に公的なサービスを利用するために介護福祉サービスとかハローワークとかそこでしかそもそも通訳派遣って使えないので
かつお そうか公的なところでしか使えない…
あさり はい基本的には…なので会社とか僕は今、会社で通訳とかしてますけど自分の趣味…手話サークルではない手芸とか例えばプログラミング教室とか今だったら勉強のセミナーとかそういうところで使える自治体ってあんまりなくってでも僕がしたいのは結構そういうところだったんですよね。でもここでこの通訳講座で勉強するのって本当に場面としてはすごく限られていて学校とか地域の自治会そういった介護相談とかそういったことが多くてあんまり実際の周りの同世代のろうが使いたいだろうなっていう手話通訳の場面とかの勉強とかがあんまりできない。そもそもこの通訳講座では対象としてないでもこれが今の利用の大半だと思うので。
かつお 実態に即しているから手話通訳の幅自体がまず狭いよっていう話ですか?
あさり そもそものたぶん通訳者の派遣の範囲が狭いからその勉強の範囲も限られているなあという…できたらそういう幅広いその会社とか大学内とかでの通訳みたいなのをそもそも公的派遣されるようになったらいいし勉強の範囲にそこも含まれたらいいのかなと思います

かつお 続いて「講座の雰囲気どんな感じでしたか」
あさり 楽しかったです。でも年が結構離れてる僕の場合は離れてる方が多かったので普通に…こうなんていうか友達みたいな感じで「ご飯食べに行こうよ!」みたいなことはちょっとね…なかなかしにくいですけど
かつお じゃあ和気あいあいとしているねというくらいで。

かつお「講座を受けてて大変だったことは何ですか?」
あさり まず通うのが大変ですね。僕が受けた時間が6時半とか7時前の時間で6時半から8時半とかの枠だったんですよね
かつお 私もそのフルタイムで働いて思うのは遅くても午後6時半とかじゃないですか、通えるものなんですかそれは?
あさり それは本当にたまたま職場の近くで地理的たまたま…。そもそもそういうところを探して時間帯も合うところ探してみたいな感じでやってたのでそれの条件が多分職場とか家とその講座の場所と時間と場所が合わないと多分そもそも通えない…
かつお 遅刻とか許されるんですか?
あさり これは全国で一緒か分かんないですけど30分まで遅刻できる
かつお あさりさんとこだと19時ギリですね
あさり 僕は結構遅刻してました前の仕事とかは結構ギリギリだったので
かつお そうですよね、残業したらだって終わりですもんね
あさり はい…出席もすごく厳しくて欠席の回数が決まってるんですよね

かつお 続いてもちょっと難しい質問ですが「手話の文法…NMM・話題化・使役・命令文・文法化などの細かな説明はありましたか」と来ていますNMMというのは…Non-Manual…何だっけMって何だっけSignalsじゃないんだよね…最近NMSって言わないらしい。確か非手指動作の英語…?M忘れちゃったたぶんあの編集の時の僕が頑張ってくれると思います。「話題化」はたぶんこういうヤツですよね
あさり これ…あのラジオでやっても何も伝わんない(笑)
かつお たぶん編集の僕が色々書いてくれると思うんだけど…それの説明ありましたかっていう話ですね
あさり 1人ネイティブ・サイナーのろうの方は実例で見せてくれましたこういうのがあるよって、まずこういう「話題化」とかいう言葉を使わないですけどこういうふうに首で「。」をつけるというか文を区切るとか言葉としてそういう専門用語は使わないですけどこういう表現しないと通じないとかこういう表現をした方がいいよっていう形でそれを受講生みんながその読み取れるかどうかは別の問題ですけど
かつお ろうの人がこんな動きもありますってやってるけど日本語でそれについて解説する理解できるまで詰めていくみたいな細かいステップはなかった?
あさり そこまでは…。「通訳」っていうのがメインなんでろう者の表現をもちろん真似するのが大事ですけど通訳するためにより良い日本語とかより良い手話があるのを選択肢をいっぱい持ちましょうとか。僕らがそういう「ろう者の独特の表現」って表しても正直違和感は多分あるからそれよりも別の方法なんとかそのろうの語彙を使わずにちゃんと意味を正しく伝える
かつお そうですね、読み手に委ねる部分もありますもんね
あさり そういう語彙はやっぱ自然には使えないから別に無理してそういうのはしなくてもいいみたいな…

かつお いろいろ手話してる中で道ってあると思うんですよね。学習だけする人とか、ろうの友達と会う時だけしゃべるとか。色々選択肢ある中でなんで手話通訳っていうものを勉強していってるのっていうところお伺いしたいですね
あさり なんでかってなんかすごい答えるの難しいなあ。一番は手話は面白いなって思ったのが勉強して続けてるきっかけ。せっかくならなんかもっといろいろ自分にできることはないかなって思った時に通訳っていう仕事とかそもそも僕がやりたいのは通訳者がもっといろんな場所で働けるとか活躍できるっていう事が結果的にろう者が活躍できる場所を増やすっていうところまでを目指して手話を今をやってるかな。自分が手話を通訳することよりも僕とか僕の仲間というかがもっと増えて手話通訳とか情報保障を受けられる範囲が広がって通訳者の仕事があるってことだし、ろう者の仕事というか活躍の場もあるっていうそういうのをやるためにも今も講座を受けてるかなと思います。
かつお 手話をやる上での最終的なゴールっていうと手話通訳が広がってそれが最終的にろう者の利益というかいいことにもつながるといいと。

かつお「学習ってどんなことをしてきたか?」手話サークルでだったらレクリエーションとかになりますけど具体的な学習方法って自分の中にあったりしますか?
あさり 大学生の時は本当にそれこそレクリエーションみたいな遊びとかゲームとかで単語表してみましょうとか結構いろんな場所にとにかく行ったと思います。ろうの手話サークル…地域の手話サークルだったりそれはKnotだったり地域の公的な手話サークルじゃないけれども、ろう者が集まる場所手話カフェとか個人的に知り合った人とかのつながりで紹介してもらったイベントとかそういったものにとにかくいろんなろうの手話を見てきたのかなと思います
かつお 結構学習者として難しいなって思うのは、そういった情報があれば行けるんだけどそもそもよく分かんないっていうところだと思うんですけどそれ(情報)どうやって掴んでいったんですか?
あさり ろうの友達とかとSNSに繋がっててその中で似たような人がリツイートで流れてくるとかイベントとかが情報として流れてくる
かつお SNSって言うと特にTwitterですか
あさり Twitterかな

かつお あさりさんと地域とのつながりというところでなんか前に興味深いなと思ったのが奉仕員(養成講座)受けてないと手話サークルに行きづらいみたいな
あさり あ~それもあるし、もう1個が「2つ以上入れない」。言われたのが僕が住んでいるところと職場が違う市なので通訳講座を受けてるからサークルに入ったりとかいろいろつながり持った方がいいよっていうアドバイス受けて実際そっちの方の手話サークルに見学に行って面白かったんで登録をしようかなと思って登録をした後に自分の住んでる市の方で見学には行けたんですけど入るのは難しいっていうふうに…。
かつお バレるものですか?
あさり バレないと思うんだけどどうなんだろうな?
かつお 自ら「僕ももう1個入ってるんですよ」って言ったら(掛け持ちダメ!)と言われちゃったと
あさり 2つ入ろうと思ってその時はまだどっちもたぶん申し込みしてなくて片方(のサークルに)言った時になんか両方入れるかどうかちょっと微妙だみたいな形でその職場の市の担当…サークルの人に確認してもらったら掛け持ちはだめみたいな形で。
かつお 特にそれに理由はないんですかルールだからダメ?
あさり 明確な理由は特に言われてはないと思います
かつお 前言ってたのは何でしたっけ?
あさり ああそれは通訳講座とか奉仕員に通う時にサークル名を書く欄があって肩身が狭いですね。通訳講座とか方針講座を受ける時にはサークルに入ってないといけない…とまでは言われてないですけど僕も半年ぐらいは入ってなかったので「入った方がいい」とか入れみたいなことはありましたね。ろうあ教会のイベントとか、そういうのは大体そのサークルに行ってないともしくはサークルに所属してないと参加できない。
かつお これから奉仕員なり通訳者養成講座なりを考えてる人は地域の手話サークルに行った方がいいですか?
あさり 行った方が人間関係的にはスムーズに進みやすいのかなあと思いますね

かつお 続いては手話通訳活動というところで今までもお話聞いた通り家庭あり職業ありということで忙しそうですが今後活動していけそうですか?
あさり そんなにバリバリ活動する予定はないです。無理なので…
かつお イメージとしては土日とか?
あさり 土日とかになってくると思います

かつお これは個人的に聞きたいんですが手話通訳に限らないですけど日本は高齢化してるというじゃないですか手話通訳は特に言われてると思うんですけど手話通訳養成講座っていう皆さんを養成していく現場ではなんか対策の話とか出ていますか?
あさり よく言われますね僕がどこに行っても若くて…若い男性は貴重だっていうふうにいろんなその講座を受けたりとかいろんな手話サークルに行っても「私たちはもうあと何年だから」みたいな…大先輩の実際でもやっぱ限界が体力的にその通訳者としての限界はやっぱりある程度あるかなと思うんでよく言われますね
かつお その辺については、ろうあ教会なり講座を開設する団体内の動きってないんですか?
あさり あんまり僕の知る限りはあんまり動いていない…。やってるその運営者の方が高齢の方なのでなかなか今から最新のテクノロジー使いますみたいなそれはやっぱ無理がある
かつお とりあえず現状ではあさりさんがどっかに行くと若くて男性いいね言われるっていうぐらい。

かつお 手話通訳マッチングアプリこれ知ってますか?これはですね、何かというと「Sign-mi」っていう名前のプライベートな通訳でも依頼できるっていう通訳とその依頼したい人を繋げるマッチングアプリっていうのが最近リリースされたらしいんですけど…若干炎上してましたけど…。これはあさりさん的にどうですか、使いたいとかどんな評判とか知ってますか?
あさり 頑張ってほしいなとと思ってますね
かつお それは自分ではやらないという?
あさり 自分で今すぐそこで活動するかっていうと時間的にできないっていうのもありますし自分のニーズに合うかどうかっていうのはちょっと微妙なところなので
かつお 自分のニーズというのは?
あさり 自分がいける時間帯とか…「やりたい通訳」と言うとあれですけど今すぐこれを積極的に自分が活用するってことはないですけど…。でも、こういうのがないと…。実際、自分の仕事とかをしてても「こんなのに派遣できないのか」とかは結局派遣に時間がかかると1週間前に出さないといけないとかが1週間前に大体の予定は決まってるとは思いますけどでも突発的に入るかもしれないですしね申し込みファックスでしないといけないとか
かつお マジっすかファックス!?
あさり いや最近メール対応になったとかも聞きましたけどそういうところで公的派遣すごい大事だけど使えないとこもあるなっていうのも自分が今は働いてても思うので「どうにかする人がどうにかしてくれ」ってみんな多分思ってると思う
かつお どうにかする案の1つとして出てきたと…
あさり もう公的派遣の方を広げるって方か民間の方でなんかやっていくかどっちかになってくると思いますけど
かつお これはさっきおっしゃってたあさりさんの目標には近いですかちょっと違いますか
あさり 究極理想は近いと思いますよね。これで本当に報酬とか専門性とかその辺をちゃんとクリアして本当にぱって依頼してちゃんとした人っていう…表現はあれですけど信頼できる人が出てきてもうちゃんとその人も雇用というか報酬の面でもちゃんとしっかり払われててみたいなみんなハッピーになるような仕組みになればそりゃもちろんいいもんだと思います
かつお それを作っていくのがあさりさんということですね
あさり 今後はそういうのも頑張っていきたいなと
かつお 素晴らしい話でした。手話通訳者養成講座系のお話としては最後となりますが受講するか迷ってる人がいらr…間違えましたね今噛みました…え~「受講するか迷ってる人がいたら受講を進めますか」どうですか?まず講座!
あさり 講座…通訳講座?あんまりすすめないかもしれない
かつお (このテーマで)こういう話は珍しいですけどね(笑)それはちょっと理由を端的に言うと?
あさり この教科書を…今手元にあるんですけどこういうのを見せて「こういうのをもっとやりたい」っていうのだったら受けるのがいいと思いますけど何となく受けたいなって思ってる人の持ってる通訳イメージがやったことない人とか見たことない人が手話通訳ってどんなものっててもあんま分かってないなんとなく迷ってるレベルだったら思ったよりも大変とかそんな理想的なものじゃないかもしれないよっていう
かつお そういうしっかりしたイメージを持った上で行くのはいいけど「手話…講座…じゃあやってみようかな」って曖昧なイメージでいくと…イメージが合わない?
あさり 単純にその手話の技術とかもっと手話が上手くなりたいっていう目的で通ってももちろんすごく為になるけどもあくまでもこれは通訳講座だよっていうところですかね
かつお 「サークルと講座どっちがおすすめですか」と聞かれたら?第3の選択肢があればそれでもいいですよ情報提供として…
あさり しゃべりたいんだったら僕はそれよりもやっぱ手話カフェとかそっちの方がなんか気楽でいいんじゃないかなやっぱりサークルに所属するとか講座に通って行動しても義務というか
かつお 厳しいところありますよね
あさり そう思ったような話ができないとかなんか行ってみたら例えば講座形式で面白くなかったとか逆にもっとバリバリやりたいのに全然そんな手話のことを学べなくて悲しいとかニーズが合わないので手話カフェに行って自分でそういう人を探していく方がニーズに合うような人を。
かつお 確かに私もねコミュ力がある人は手話カフェに行った方がいいかなとは思いますね。コミュ力がないと僕みたいに手話カフェに行って何もしないで帰るという時間の無駄を踏むことになるので、ちょっと気をつけてみてください。

では、今回は手話通訳者養成講座を終えたばかりのあさりさんに来ていただきましたありがとうございました

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?