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葉月の稽古帖_美しい歳時記と佳人の作法

礼儀作法師範 葛西美雪です。

少人数制で静かに開催している礼法教室
「美しい歳時記と佳人の作法」では

伊勢流・小笠原流礼法のふるまいを中心に
日本の礼儀作法に宿る「美・品性・風格」の
知識と教養を一緒に磨いております。

「礼法ってどんなことをしているの?」

このごろ、問い合わせもいただきはじめました。
そこで、どんなことをしているのかを
稽古帖として綴っていけたらと記事にいたしました。

今回は葉月におこなった稽古をレポートいたします。


1.和室の基本動作

和室での基本動作は毎回必ず行います。
一つ一つの動作を丁寧に。
何となくごまかして終りにするのではなく
しっかり、ゆっくり、じっくり、正しくできるまで行います。

何故なら、簡単な動作こそ
分かる人が見れば、修練を積んだか否かがはっきりと分かるからです。

何気ない仕草にこそ、
何気ない手の形にこそ、
その人の心の中が表れるのです。

これは礼法にも、能の仕舞の教えにも共通すること。
その場の人間関係の形成に積極的かどうか
ふるまいをみれば一目瞭然です。


2.贈答の作法

贈答を語る際、
結び・包みの文化理解は欠かせません。

物を送る時に包む文化がいつから始まったか…
万葉集を眺めれば
大切な方へだいじなものを送る時
包んでお送りしたという歌が残っています。(大伴家持)
古来からの包む心について学びます。

また、ふるまいでは
物の持ち方、受け取り方の総復習として
贈答品の受取渡しを行います。


3.美しい歳時記より

季節に寄り添った暮らしや
日本人が大切にしてきた自然や風情がなにより好きな私。

しばらく好きな分野の勉強に集中し
大学教授に質問ばかりして困らせてきたので
教室ではそのお話を還元しております。

例えば、鮎のお話では
万葉集の権威である藤原茂樹教授(現在名誉教授)が
万葉集と鮎の関わりをご教授くださった際
「どうして花びら餅の牛蒡は鮎を見立てているのか」
と質問し、関係する文献を多く教えていただきました。

そんな「なるほど~」なことを
楽しくお話しています。


そして、お話をしながら直会としていただくのは
香港土産のアイスジャスミンティーと
宵花火という名の生菓子。

皆さんのお話がはずむひと時。

8月は暑い中お集まりくださり
ありがとうございます。

9月長月の稽古は重陽の節供がありますので
酒宴儀礼の変遷などのお話を
伊勢貞親・貞宗の故実を中心に学んでまいります。

毎月月初に、「美しい歳時記カレンダー」が届きます。楽しいはず!




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