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「礼儀作法を科学する」身嗜み編:どうしてお化粧は必要なの?

夏も本番。朝から暑い日が続きます。
自宅から駅までの通勤時間、汗まみれになる日々。
会社に到着すると、まずはお手洗いに直行し
汗拭きシートで全身拭くという方は多いのではないでしょうか?

汗の次に気になるのが崩れたお化粧や髪型です。
折角整えた身嗜みも汗で崩れてしまう・・・。
どうしてこの暑い最中、お化粧してるんだろう?怠い気持ちが生まれます。

最近は男性の方でも身嗜みとしてファンデーションを塗ったり、眉を整えたりする方も多いようです。そもそもどうしてお化粧をするのでしょうか?
本日はお化粧がテーマです。


1, 自己表現としてのお化粧

お化粧は個性や好みを表現する手段となります。
強い女を演出したい場合のお化粧と、従順な女を演出したい場合のお化粧ではまったくテイストが違うはず。古来より、お化粧・髪型・服装は自分のステイタスを表すものでした。自分のなりたい人間像を化粧は表します。

2, 外見の美しさと魅力の向上

お化粧は外見を整え、自分自身や他人に対してより魅力的に見せることができます。なにより、この効果によって自信がつき、良い印象を与えることは既に実証されております。

3, 自己満足やリラックス効果

化粧をすることで、自分自身が気分を良くしたり、リラックスする効果があります。実際に、メイク中からポジティブ感情が湧き、生活の質や運動量を上げる効果も認められています。鏡の中の美しい自分を見ることは誰しも良い気分を得ることができるでしょう。

4, 社会的要求や場のルール

一般的な職場では、メイクをすることが好ましいとされている場合がほとんどです。これは社会的な期待や規範に従った行動としての側面があります。

もちろん化粧をしない選択をする人もいます。化粧をしない理由は、個人の価値観や信念、実際の肌負担等色々挙げられるかと存じます。お化粧はあくまで個人の自由であり、化粧をする・しないは個々人の選択です。

5, 古来からの日本人の化粧感について

古来より日本人の化粧は、集団の調和・社会の一員を重視していました。
ですので、髪型・お化粧をみればステイタスが分かったのです。
鉄漿(おはぐろ)などは、既婚女性の象徴でしたね。
個々の特徴よりも、控えめでどの社会に属しているかが分かる化粧を求められていました。
この化粧感は現代でも連綿と続いております。
自分の立場をわきまえた、その場になじむ化粧が求められるのです。

6, 上田秋成の化粧感

「女は粉黛せずしてはいとみにくし 朝寝の顔はいと見苦し」
上田秋成は江戸中期の国学者・歌人、「雨月物語」の作者です。
女性は素顔のままではなく、己の自然の美しさを見せるために
荒を隠し化粧を施せよ。と言っています。

7, 三島由紀夫の外見感

三島由紀夫の女性感は大変勉強になるものです。
女性という性のあるべき姿について語る内容は、
育ちの良い彼の周辺女性のレベルの高さが伺えます。

「人間には精神があるが、精神の特徴は人に見えないということである。
文学の作品というのは、その見えないものを、
目に見える、形あるものに写したものである。
ひとたび形が問題になればその形は美しくなければならない。
ここに形の世界がはじまる。(中略)
私はお腹の出た人間の格好に精神の怠惰を感じ
アバラの出た胸には、精神の過度露出を感じる。
人間は自分の内面を包むのに礼儀正しくなければならない

内面の一番外側が外見である、というのは最近流行りの言葉。
人間の精神は、文章に見え、そして体型にも感じられる、
と言っております。

自分の内面を包むものはどういうものがいいのか?
三島由紀夫は、その判断に個人の精神が垣間見れると言っているのです。
自分の精神を尊ぶのであれば、美しい顔・髪・身嗜みで包みたいものです。


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