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『RRR』を見た話


インターネットで良い評判しか見ないRRRが気になっていた

いま世間で1番流行ってる映画の一角を担うRRRを見たいな〜と思って気づいたら5月になっていた。さすがにそろそろ公開が終わるかもしれないと思って(日本公開は2022年10月から)見に行くことを決めた。公開から半年以上経ってるからもう人いないだろうと思って当日の席を確認したら全席満席だった。

「半年以上経ってるのに全席満席?ヤバ…」

ヤバ…と思ってしまった。関係ないけどじゃあスラムダンクを見ようとして席確認したら全席満席だった。半年経ってるんだからもっと席スカスカで“あ〜そろそろ公開終わりだな”を感じさせるもんだと思ってたのに、全然終わらなそう。これからもあのポスター映画館前に貼ってそう。あのインド版の「アダムの創造」みたいなポスターが。

アダムの創造(Wikipediaより)

ちなみにこの日記は考察とかシーンの意味や映画のメッセージとかそういうものについて一切考えたりせず「このシーンのここがめちゃめちゃウケた」という話しかしてない。なのでこの日記を読んで得られる知見などは特にない。

作中の中で冒頭の「暴力」が1番ヤバい

少し前に『前情報一切なしでRRRを見て暴力性の高さにショックを受けたnote』がはちゃめちゃに大炎上してた。あのnoteの最大の炎上理由は「“インターネットの人たちがRRRの暴力性の高さを教えてくれなかったことにブチギレてます!”という内容に対して“甘えんなや”って突っ込まれてる』だと思ってる。
あの炎上に対するツイートやコメントをたくさん見たので「RRRは暴力が強い映画なんだな」という漠然とした知識とナートゥダンスがあることだけを仕入れて映画を見た。そして始まる冒頭の暴力。

強すぎるだろあの暴力(批判とかではなくあれマジで強くない?という心配)。

『娘を返してと懇願する母親の頭を木でブン殴るイギリス人』のシーンがRRRで最初に出てくる暴力なのだが、これがまぁほんとに力いっぱいブン殴ってる。私が見てきたフィクションにおける殴打シーンで1番強くブン殴ってる。見た人はわかると思うけど(てかこの日記、映画見た人しか見ないよな)映画館でなければ「嘘でしょ!?」って声出てたと思うぐらい強かった。
ぶん殴られた母親は頭から血を流して目を見開いて地面に倒れ込んでたので「おいおいおい完全に死んだわコレ」って視聴者に知らしめていた。だからこそ最後のシーンでハァ!?って声出そうになったけどこれについては多分後半で言うと思う。
「初っ端からこの“暴”の強さ…ジャブでこれとは覚悟決めるしかないぜ…」と思っていたが、最後まで見た結果作中で1番威力の高い攻撃がこれだった。全然ジャブとかじゃなく本命ストレートパンチなんかい。監督からの「このシーンを乗り越えられれば貴方はこの映画を見れるよ!」という熱いメッセージ、身に沁みたぜ…。(そんなメッセージ込められてるか?)

最初の方に触れた『はちゃめちゃ炎上RRRお気持ちnote』について、映画見た後で「100%共感できる!」とかは全然ないけど確かにこれはショックを受けても仕方ないなと思った。会話シーンよりアクションシーンの方が大好きな私もあの殴打にはちょっと心臓ドキドキした。せめて『RRRのタイトルは蜂起・反乱・咆哮の頭文字だよ』ってことぐらい事前に知れていれば多少構えられたかもしれない。いや構えたところであの攻撃力の高さに耐えられたかな…無理かもしれん。


虎がめちゃめちゃ野生なのが面白い

拐われた部族の女の子を取り戻すためにイギリス人の建物に乗り込むシーン。パニックを起こすためにトラックに積んだ虎やヒョウやシカの野生動物を解き放って暴動を起こすあのシーン、ビームが虎たちと一緒に飛び出すのがめちゃめちゃカッコいいのだが次の瞬間普通に襲われそうになって炎で振り払ってるのが面白すぎる
ぜ〜んぜん懐いてない、普通に野生の動物と共に飛び出してる。こういうのって味方(つまりビーム)は襲わずに敵のみに襲いかかるものだと思ってたがそこはリアル志向なんだ。イギリス人側も『え…この叛乱者自分が持ち込んだ動物に囲まれてない?』と一瞬思っただろう。もちろん敵の数が多いから必然的にそっちを襲う方が多いが、目があったら普通に虎に襲われててギリギリで躱して虎がイギリス人にぶつかったから結果オーライ!という中で暴れてた。敵陣に乗り込んでるのに、自分が持ち込んだ野生動物にも注意を払わないといけないのでだいぶ大変そうだがビームはタフガイなので大丈夫だった。

この物語のヴィラン、イギリス人について

RRRはインドがイギリスに支配されてた時代の話なので清々しいぐらいにイギリス人が悪者として描かれている。インド人を平気な顔で虐げるどころかインド人の命は銃弾1発(1ポンド)よりも価値が低いとか、それはもう最悪のヴィランである。
有名なナートゥダンスを踊るのも、ジェイクというイギリス男がヒロインにビームを優先された妬みから、見せしめにビームを転かして罵倒したりタンゴを見せびらかして調子づいたりするムカつくところから始まってた。(関係ないけどこのジェイクがカッコいいので誰か俳優の名前を知ってる人がいたら教えて欲しい。重要なことなので強調しておく)
悪の親玉である総督を筆頭にイギリス男は全員最悪人間として描かれてるのでまぁ当然全員死ぬ。銃で撃たれるし炎で焼かれるし獣に噛み殺されるし爆発炎上するし矢で射られる。この作品は勧善懲悪者だから。
よく洋画で悪役になるのはソ連やナチスなどが多いので、久しぶりに大英帝国が悪役の映画を見た。そういえばこの国歴史的にかなり最悪だったんだったな〜と改めて認識した。ブリカスという言葉ってマイルド表現だなとも思った。

この映画、イギリス男は徹底的に悪く描かれているけど、イギリス女は全然悪者ではなくむしろかなり良い人として描かれてた。恥をかかされた軍人がビームを殴るのを「やめて!」と止めたり、ヒロインも人種問わず分け隔てなく優しく誘拐された部族の子にお土産をたくさん持って行ったり(そもそも誘拐を容認するなと言ったら「それはそう」になるが)、ナートゥダンスの時もビーム・ラーマと一緒に踊ったりかなり良い人たちだった。
なのでちょっと気になるシーンがある。最後にビームとラーマがイギリス人の本拠地の建物を破壊しまくるシーンがある。突っ込んだバイクが中にあったTNT爆弾に引火して誘爆しまくって建物が全壊した。当然中にいたイギリス人は全員死んでる。多分この中にすごく良い人たちだったイギリス女性もいる。全員死んだのか…?そんな…。ダンスで負けてたジェイクも死んでしまったのかな…イギリス男だから死んだか…。


いや生きてるんか〜い!なインド側

先ほど言ったようにイギリス人は多分全員死んだ。ビームのヒロイン、ジェニーだけは生き残ってる。(あの子はこれからどうするんだろう、ビームと森で暮らすのか。それとも逆転もののけ姫みたいな感じなのか。)

でもインド人は…死なない!

ラーマは死なない!ビームとマッリを逃すためにイギリス兵にボコボコにされて突き出た太い木の枝が背中からぶっ刺さっても死なない!ギリギリ生きていけるだけの水と食糧しか与えられずに捕らえられても筋トレできるぐらい元気!本当にラーマはタフガイだった。ラーマの恋人の名前がシータで、明らかにラーマーヤナ(有名なインドの英雄譚)からの名前なので2人は2度と再会できなかった…という流れでラーマが死ぬと思っていたがラーマはタフガイなのでちゃんと再会できた。よかった。
マッリのママは死なない!作中で1番攻撃力の高い殴られ方をして頭から血を流して目を見開いて倒れてても全然生きてる!これはさすがに生きてるんかいって声出そうになった。死んでないのにあんなに目を見開いて倒れ伏すことがあるんだ。


エネルギーがすんごい

3時間あってエネルギーがかなり高い。カロリーにしたら数万はありそう。人によってエネルギーを貰ったり吸い取られたりしてるようだが、私はエネルギーを吸い取られた側だった。保湿するためのパックを長時間やりすぎると逆に顔の水分を取られる、という現象と同じ原理だと思う。見終わった後3時間昼寝した。


普通に長くはある

さっきも言ったがこの映画は3時間ある。私が見たのはインターバルも含んでるのでトータルで3時間半近くだったと思う。
RRRは話が王道で分かりやすくてテンポもかなり良いので3時間あるという割には体感時間はそこまででもない。が、普通に体感で2時間ぐらいはある。とてもじゃないが一瞬で終わるとは言えない。「面白かった」と「疲れた」は共存する感想である。


終わり

ようやく見れたRRR、インターネットで絶賛の声しか聞かないので「またオタクどもが誇張した表現でなんか言っとるな…」と思っていた捻くれ者だが王道で分かりやすくテンポも良い映画で面白く見れた。私はそこまで熱狂的に最高!もう一回見る!というほど刺さったわけではないが、RRRを見て1日経った今も「ナートゥナートゥナートゥ」と口ずさんでしまう時があるので脳内を多少占めているようではある。

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