#新生活に向けて

「よりによってなんでこのタイミング」今年の春に新生活を始めた人は、声には出さないまでも多くの人はこう思っているのではないでしょうか。
入学、就職、結婚など春は人によっては転居も伴う新しい生活の始まりの季節です。2020年4月。一生忘れがたい新生活のスタートの年になりました。

特に進学、就職、結婚で生まれて初めて親元を離れ新しい土地で生活を始めようとした人には、相談する人もそばに無く、始まったようで始まらない新生活にどう折り合いをつけたらよいのか、落ち着かない状況かと思います。そんな人に何か新生活のヒントになればと思い文章を書いていきます。

新生活を上手く始めるには、それまでの生活との決別が必要です。その為に卒業式や送別会があり、もう戻れないという気持ちが高まり新しい生活のスタートが切れるのです。「新しい物を掴もうとするならば、今、あなたが手に握っているものを離さないといけない」まさしくその通りです。

また「秋は夏の終わりを感じた時に訪れる」と言います。秋の訪れを告げるのは夏の終わりです。今までの生活が終わると新しい生活が始まるのです。

この時期、新しい生活を始める人は皆が苦しみます。高校には仲間がいた。見ず知らずの土地に馴染めない。社会に出て年上の人との付き合いに疲れ学生に戻りたいと思う。人はこの節目にロケットの様に戻りたい場所を切り離すことで新しい生活に飛び出せるのです。自我が育ち自立していきます。

ところが今年はさらに厳しい状況です。卒業式や送別会も無く、前の生活との決別が出来ないまま新しい生活に押し出されました。新しい生活も入学式や入社式も中止となり始まりの実感が無いのです。式や転居という行事は変化を体の外側から覚悟させる重要な役割を担います。この終わりと始まりを外側から体感出来ない今年の状況は明らかに大きな試練と思って下さい。

1つ目のヒントです。今年のような状況でなくても、多くの人は今までの生活から離れ、新しい生活を始める時には心が不安定になります。それを卒業式や入学式という行事が、外側から切り替えをサポートしましたが今年はそれが無くなりました。この2つを分けて考える。今まで誰もが感じた不安と今年だけの不安をまとめてしまって今年の不安を大きく捉えないことです。
2分の1は皆同じと割り切って残りの2分の1に注力することが一番です。

では外側が無ければどうする。内側を使うしかない。内側とは何なのか。

内側とは内面、心の働きかけです。本来は様々な行事が外側から「今までの生活は終わった。新しい生活を始めるんだ」と働きかけ、それに合わせて内側が反応し、心が覚悟を生み「よし!新しい世界をみてやる」となります。今年は強く意識してこの内側の力を高めて、心が新しい生活を楽しむ覚悟と喜びを自分に強く求めていくことです。苦しくても後ろには戻らない。

実はこれを意識すると、思いもよらない力が早く身に付きます。それは自立心です。外的環境に影響を受けない内面の強さが磨かれるのです。これは社会で活躍し貢献するための重要な力です。わかりますよね、外的環境(外側の行事)と切り離した内面(内側の心の働き)の力を鍛えるからです。

そして2つ目のヒントです。ここでは「バックキャスト」「フォアキャスト」という言葉を覚えてください。学生や社会人のキャリア支援をしている時にも良く使う言葉です。特に最近は「バックキャスト思考」が「SDGs」
活動の中でもよく取り上げられているのでご存じの方も多いと思います。

「バックキャスト」。それはあるべき目標を掲げ、そこから現在を振り返るということ。今の場所に立って将来行きたい所を眺めるのではなく、将来行きたい所に立ってそこから現在を振り向く(バックキャスト)思考法です。
行きたい所から今を眺めるとより鮮明に道筋が見え施策が明確になります。

その逆が「フォアキャスト」。今を積み上げるという考え方です。出来ることを一つ一つやる。今の強みを使って未来を考える(フォアキャスト)思考法です。「バック」と「フォア」を組み合わせるのでどちらが良いというのではありませんが、未来は現在の延長線上にないとの考えが強く「フォア」は時代に適していない。重要なのは「バックキャスト」と言われてます。

ではこのような状況の中で新生活を始めた人はどう考えて行動するかです。
私は「フォアキャスト」での行動を勧めます。今は目の前のことに集中すべきです。不安定な状況で先を見ると視点が定まりません。目の前にある生活だけではなく世の中で起こっていることに対しても今自分が出来ることで、自分や家族や社会に貢献して下さい。それが新しい生活の軸足を整えます。

そして最後3つ目のヒントです。ヒントというよりこの文章の本題です。
是非このことはメッセージとして絶対に覚えておいてください。

大学生でも、新社会人でも、新しい生活が始まるということは新しい役割を担うということです。新しい責任が生まれるということです。新しい生活のスタートは新しい役割と責任のスタートです。社会に出た人は社会で果たすべき役割と責任が、結婚をした人は新婚生活の始まりと同時に家族への役割と責任が生まれます。役割と責任を果たすことが新しい生活を充実させる重要な鍵となります。役割と責任を果たした時に得難い喜びがやってきます。

本当にむつかしい時期に新生活を始める皆様へのエールとなれば幸いです。

「迎え撃て 新生活」

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