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献身的愛犬家ペパーを語る【バイオレット】

※以下盛大なネタバレが含まれるので注意です

祝・ポケモン新作クリア

無事クリアしました。しかし「レジェンドルート」から「スターダスト☆ストーリー」をへて「チャンピオンロード」に行ってしまったせいか四天王やチャンピオンネモの手ごたえが…。
アイテムを駆使してペパーに再戦を挑んで勝ったときには「こいつがもうチャンピオンでいいのでは?」と思いました。レベルが18以上高いってお前っ!
でもマフィティフが元気になったから全然いいよ!!

今作で主人公以上に重要な人物である「ペパー」

どうでもいいけど可愛いスマホケース持ってるな

「スターダスト☆ストーリー」ではペルソナシリーズを彷彿とさせる少年少女たちの団結が描かれ「チャンピオンロード」では今までのポケモンシリーズ特有の頂点を目指す話が進みますが、今回のストーリーの根幹はペパーの愛犬と彼の親である博士が関わってくる「レジェンドルート」と「ザ・ホームウェイ」です。

毛色の違うストーリー「レジェンドルート」

「レジェンドルート」は、エリアゼロで怪我をしたペパーの愛犬マフィティフを少しずつ秘伝スパイス料理で治療し元気にしていくルートなんですが、
しかしこのストーリーどうみても老犬介護のような描写が目立ちます。

ペパーが少年の頃から一緒なのでやっぱり老犬なのか?
食べるのも精いっぱいのマフィティフ

ポケモンセンターでも薬でも体調がよくならないマフィティフのためにオカルト的と言いつつも「秘伝スパイス」の存在にたどり着いたペパー。

彼は最初に作った料理による効果を実感しマフィティフを助けるためにスパイス探しを続けることにします。
ここで注目したいのが上記の台詞。これは実際に手足をマッサージしたり行動の介助をしていないと気づけない。このセリフはペパーがマフィティフを介護していることを示唆している台詞に思えてなりませんでした。

それからストーリーが進むにつれ、マフィティフ目が開けられるようになり声がでるようになり元気を取り戻していきます。
勿論元気にならないときもあります。現実もそうですね。経験したものとしてはリアルだなと胸が苦しくなる展開でした。

最後の料理と愛犬家みんなの願い

最後の料理を食べさせるときの台詞なんですが、これはもう全愛犬家が泣くんじゃないかと大袈裟ですが考えましたね。むかし犬を飼っていて現在は猫を飼っている自分はボロ泣きしました。(お爺ちゃんの元気な兎も飼ってます!長生きしてくれ!!)

小さいころから世話をしても、彼らはやっぱり自分より先に老いてしまう家族です。その事実には逆立ちしたって抗えません。
老いたペットに対して「昔みたいに少しでも元気になってくれれば」という願いを抱かなかった人は少ないでしょう。それが人間の我儘なのは百も承知の上でです。
年老いた彼らと触れるとき、元気だった彼らとの幸せな思い出が蘇らないことなどないからです。

ポケモンではハッピーエンドに進みますが、ペットを飼う上で避けて通れない題材を全年齢ゲームで掘り下げたことは、多くの人の心に「命の重み」について考える問いを残したのではないかと思います。
ペットブームと言われる昨今、飼育放棄などが社会問題として表層化して来ています。ゲームの世界の話であってもペパーの行動は、現実に一石を投じる意義があったのだと信じたいです。

親とは子供にとって必ずしも善とは限らない

その後、マフィティフが無事元気になって喜ぶ主人公たちのところへフトゥー博士から電話が来ます。研究所を開けて入ってくれという博士にペパーは「今さら何様だよっ!」と怒り心頭。そりゃそうだ。

ここでペパー家族の機能不全ぶりが明らかになる会話が挟まれます。

ラスダンに行くと分かりますが、博士の日記にはペパーの片親は彼を残して去って行ってしまったことが記されています。
そして、博士は彼とマフィティフ(進化前)の写真を飾り、彼の息子であるペパーを宝物のように思っていたことを示唆する文章を書き残しています。この作品の要である自分だけの宝物ですね。

しかし。その自己欲求優先かつ仕事優先な愛し方はその宝物である子供に伝わることはなかっただろうと思います。研究者としては最高の人材だろうけど…。

ペパーはクリア後、博士の仕事内容を知り、子供に構えなくても仕方ないという結論を出しますが(これを子供に言わせるのはどうなんだと思ってしまった…)博士コピーAIによって愛情が伝わった結果だとしたら、個人的に納得はいかなくとも悪いエンディングでは無かったのかなと思いました。

新作ポケモン総括

ラスダンに行く仲間たち

ゲーム全体を通してみると、「傷ついた子供たちが仲間を見つけ団結して敵に立ち向かう」ジュブナイル王道RPGのような仕上がりのゲームでした。

とにかくペパーに幸あれ!!(いじめられていたボタン達にも幸せあれ!)と願わずにはいられない切なく楽しい仲間との冒険譚でした。


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