私がGLに求めるモノと好きのカタチ:『やがて君になる』感想

みなさま〜。どうも、輿水畏子(こしみず かしこ)です。

突然ですが、私はGL ・BLジャンルの作品が大好きです。いわゆるヘテロものの作品よりも、同性愛作品を好んで小説や漫画を買っています。

ですが、実は最近までGLジャンルで名作と名高い作品『やがて君になる』を読んだことがありませんでした。今回はそんな名作、やが君を今更読んでみた感想として、やが君のどこがよかったのかと、自分がGLに何を求めてるのかな〜と再考してみた話になります。

やが君、予想と違ったけどめっちゃよかった

端的にやが君の感想を言うなら、「思ってたのとは違うけどめっちゃよかった」です。

名作と名高いだけあって、続きが気になってガンガン読み進められたし、小糸侑と七海燈子の関係性がうまく行ってからの描写はあまりにも良くて最終巻を毎日1回は読み返してます。二人のイチャつきほんと最高ですよね。マジで。あと二人の性欲をなあなあにしなかったのが真摯だと思いました。

じゃあ何が予想と違ったのか。

これは自分が求めてる「イメージ」との差でした。

私が今までGL作品に求めてたものって、主役たちのいちゃつきとそこに至るまでの甘酸っぱい心情みたいなものにすごく重きを置いてたんですよね。その辺の甘い空気感や、同性同士ゆえの独特の距離感へのときめきとかが好きだったんですよね。
まあぶっちゃけていえば、まあ浅い気持ちでGL読んでたと言っても過言ではないです。

そんな中で、やが君は読んでいて印象に残る部分が今までとちょっと違いました。主人公の小糸侑と七海燈子が「好き」という気持ちをどう理解するのかをすごく真摯に組み立て行ってて、その部分に気を引かれたし、面白かったし、最後の結論にすごく納得したんです。

結果、今までのGL作品とは違う印象を受けたんですよね。
ある意味で自分の中ではGLっぽくなかったと言うか。より大枠で、恋愛漫画を読んでる!って気持ちが強く刺激されてて、逆にヘテロなのかGLなのかの部分に気が向かなかった感覚がありました。まあこれは今までの私のGLへの向き合い方が浅かったなって反省する点です。

総じてすごく興味深い作品体験でした。私は誰かが自分の好きの形を理解する話が大好きなので、小糸侑がたどり着いた結論がとても好きだったんですよね。自分にとって好きという気持ちはどこかから湧き出すものじゃなくて、自分で選びとることなんだという想いは、それまでの小糸侑の言動を綺麗に裏付けていてとても綺麗なカタチだったし、何よりそういう積極さは大事にしたいことでもあるよね〜〜と一人神妙に頷いてました。

ついでに外伝小説も読んだのですが、佐伯沙弥香さんは正直女難なのではないでしょうか……。小学生の頃佐伯さんの人生を変えた女の子がずっと水の中に煌めくものを探し続けてると判明した時は佐伯さん……自分も他人も狂わせてる……って神妙な気持ちになりました。

やが君、名作と言われるだけありめっちゃよかったです。皆さんも是非読んでみてください。

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