マガジンのカバー画像

君たちの記念碑はどこにある?――カリブ海の〈記憶の詩学〉

7
中村達さんの連載『君たちの記念碑はどこにある?――カリブ海の〈記憶の詩学〉』に関する記事のまとめです。[バナーデザイン=髙井愛]
運営しているクリエイター

記事一覧

第7回 植民地の教育と記憶 未来のために振り返る力|君たちの記念碑はどこにある?…

希望が誘拐された時代に  「私は、37年と38年が、その成り立ちとはほとんどあるいはまった…

第6回 音楽という記憶装置 植民地支配の傷としてのトラウマ|君たちの記念碑はどこ…

労働運動の時代、反乱の連鎖  西洋帝国に正面から立ち向かい、カリブ海の人々がハイチ革命…

第5回 フラクタル・ファミリーズ 家族と記憶の倫理学|君たちの記念碑はどこにある…

記録に残らない、人々の内面へ  ジャマイカ人社会学者で小説家のアーナ・ブロドバーは、198…

第4回 カリブ海の偉大な叙事詩 革命闘争の記憶|君たちの記念碑はどこにある?――…

偉大な叙事詩のひとつとして  トリニダードが生んだ知の巨人、偉大なる政治思想家C・L・R・…

第3回 中間航路を読む 奴隷船と底知れぬ深淵の記憶|君たちの記念碑はどこにある?…

「プランテーションの人びと」  フランス海外県マルティニーク島出身の作家エドゥアール・…

第2回 ホモ・ナランス 「遭遇」の記憶を物語ること|君たちの記念碑はどこにある?…

「遭遇」の記憶  ジャマイカ人小説家・批評家のシルヴィア・ウィンターは、人間に固有な特…

第1回 カリブ海作家と「記憶」との諍い|君たちの記念碑はどこにある?――カリブ海の〈記憶の詩学〉|中村達

「人間」の条件  1957年10月4日、ソ連は人類初の人工衛星であるスプートニク1号を打ち上げた。ハンナ・アーレントは『人間の条件』において、この瞬間を人類史的であったとし、当時の人々の狂騒をこのように解釈する。「この喜びは勝利の喜びではなかった。実際、人びとの心を満たしたのは、驚くべき人間の力と支配力にたいする誇りでもなければ、畏敬の念でもなかった。むしろ、時の勢いにまかせてすぐに現れた反応は、『地球に縛りつけられている人間がようやく地球を脱出する第一歩』という信念であ