献血で進撃の巨人を体験した
血が怖いだとか、採血は気持ち悪いだとか思って生きている。
特に血が出る系のアニメや映画は少し苦手で、流れ始めるといつも目を逸らしている。
ぶっちゃけ鬼滅の刃の映画はキツかった……こう、映像で来ると無理なのよ。自分で速度を変えられないから。
漫画小説なら、飛ばして読めるからいいんだけど。(PSYCHO-PASSとか、東京グールも好き)
本題に戻す。体に針を刺されるなんて気持ち悪い。インフルの予防接種も大学受験の年しか受けていない。注射、断固拒否。
しかし、タダで何かがもらえることに弱い私は、今回も大学にやってきた献血車に吸い込まれて行ったのである。
通算4回目を迎える献血。今回は史上最も早く終わりそうだった。
スタッフ「献血カードは……」
カードを見せる
スタッフ「…持ってますね」
スタッフ「ところで骨髄バンクはご存知……」
私「登録してます」
スタッフ「…ありがとうございます」
こんな感じで、すでに献血カードは作成済み、骨髄バンクにも登録済み、加えて待っている人もほとんどいない。問診も爆速で終わってしまう。早すぎ。そういえば、飲み物全然減ってない。また前回みたく一気飲み大会か。
あまりのスムーズさに、普段なら待っているときに心を沈めるのだが、今日は心の準備が追いつかないまま血圧、採血コーナーへ向かった。
ちなみに、この前心拍数が異様に高いと思っていたが、今回もそれと同じだった(95)。調べたら前々回も同じくらいだったので、私は心拍数が高いんだな、発見! いや、でも心拍数の回数は全ての動物で同じくらい、とか聞いたことあるから自分は早死にするんだろうか……と余分なことをとにかく考えて緊張をほぐす(解れない)。
血圧は特に大きな問題もなく、続いて1回目のお試し採血だ。
前の人が注射針刺されているのを眺めながら、次は私もああなる。針を刺されるのだ、と思っていたが、席についた私を待っていたのは注射針ではなかった。
なんかよくわからない見慣れない機械。
私「なんですか、それ」
ナース「結構何回も受けているみたいだからね、指から採血するんですよ〜」
え、と思うのもつかの間。
あっという間に手をしっかりと握られ(宝塚ではよく手を握り合ってるけど、こんな感じで追い縋る時はしっかり掴んでいるのだろうか) 、ナースが手に持った手のひらサイズのそれを振り下ろした。
ぶすり、と何かが指に刺さる。痛い。
どうやらその機械は指に針を刺して、ちょっとだけ血を取るためのものだったようだ。
案外痛くないし、その割にはちゃんと皮膚傷ついて血も取れるし。いい方法考えたなぁ……。
絆創膏で押さえながら、でも、この後どっちみち200ml取られるからなぁ。この検査採血で本番への予行演習的なノリだったのに……。
献血ももっとお手軽感あればいいのになぁ……。と思っていたが。
ナース「あ、ヘモグロビン足りないですね」
用意された検査用紙に思いっきり斜線が引かれる。なんだなんだ。
ナース「貧血に近いってことですよ。今回はできないので、まあ、良ければ飲み物もらって帰ってください」
まじか。
私の打算、血と引き換えにレトルトをもらう、失敗。
また次こそ、と渡された伊右衛門のお茶を握りしめてとぼとぼ歩いていた。悔しいぃぃ! あのレトルト欲しかったぁ(買え) 。
と思っていたが、よくよく考えてみると……。
なんていうか、針で血を流すって……進撃の巨人じゃん!
進撃の巨人では、自傷行為によって巨人になる。みんな手を噛んだりしてちょっとコスパ悪い感じで巨人になるが、一番スマートに巨人化した人がいる。アニだ。
指輪に仕込んだ針で指を引っ掻くことで巨人になったのだ。
あ〜〜指に自分で穴を開けるってこんな感じなのかぁ。
お手軽だし、簡単だし、痛くないし。
アニ、お前頭いいなぁ。
しょうがない。こう考えよう。
今日は献血をして景品をもらうんじゃなくて、進撃の巨人アニ体験をしにきた。
そう思えた私は、献血できずにただ飲み物をもらっただけだったが、結構な満足感を得て、ルンルンしてた。
ポジティブシンキング、最高!!
ちなみに、その後の食堂では気がついたら、ほうれん草の料理とレバーの料理を摂取していた。景品がもらえなかったことよりも、健康状態が悪いことにショックを受けていたのはここだけの話である。
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