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シャニマス5thライブ『If I_wings.』考察④_制作側の想いを知って思うこと

 標記のライブについて、day1の演出があまりに前代未聞と言うべき内容だったため、各トピックを受け止めた時点での感情、感想、考察などを記録していき、自分の中でどのように意識が変化していくかを観察しています。
 day1終了直後に①、day2終了後に2日間を振り返った感想を②で記載しました。(その後、イルミネーションスターズについて思うことを③として書きましたが、これはライブ全体の感想ではありません)

 そして今回、制作プロデューサー高山氏のコメント付き同時視聴会を鑑賞、さらにday1-2のキャストコメンタリー付き同時視聴会を鑑賞。制作サイドの想いを知り、それをどう思うか、シャニマスをどう思うか、そして5thライブをどう思うか。5thライブに関しての重要な情報はこれでほぼ出尽くしたと考えますので、④となる本記事で最終的な感想をまとめます。

1.高山P感想コメントの要約と受け止め

 まず最初に。ライブの感想をゲーム制作プロデューサーが同時視聴会で語るというのは異例中の異例だと言えます。恐らく本来はコメントを出す予定ではなかったのだと思いますが、SNSなどでくすぶり続けるday1への否定的意見を見て、このままでは土曜日のキャストコメンタリーに累が及ぶ……その前に同時視聴会の場を設け、感想という形で想いを述べることで防波堤になろうとした。金曜の深夜に達する異例の同時視聴会が実施されたのは急遽そのように判断したからだと勝手に理解しています。
 もしそうであるならば、その意を汲んでコメント全文を引用することは避け、重要部分の要約のみ記載し、それに対する受け止めと考えを述べることとしたいと思います。

1-1.コメント要約

 感想コメントを要約すると以下のようになります。

  • シャニマスのアイドル達には、アイドルの道以外にも無数の可能性がある

  • 制作側にとって「都合よく」、その女の子達がアイドルを続けているのは当たり前だと規定するのはアイドル達に不誠実である

  • 仮にアイドル以外の道を選んだとしても応援したいと思っている

  • アイドルがアイドルを続けることを選び続けてくれるなら、それは奇跡であり、その道をプロデューサー(ファン)と共に歩みたい

 つまり、ゲーム内のキャラクターを「自由に動かせる制作物」として扱うのではなく、「意思を持った1人の女の子」だと考える。そして、(実際は制作陣の作ったシナリオ上を歩いているのだとしても)無数の選択肢の中からアイドルを続ける道を選んでくれていることを、当たり前ではなく奇跡的なことなのだと認識し、アイドル達に敬意と誠意をもって制作を続けていく。
 そのような意思表示、決意表明だったのだと理解しました。そうなると、私が考察①②で予想したライブの意図は的外れでした。「ファンの皆さんも制作陣と共に、アイドル達がアイドルであり続ける選択をしているのが奇跡だと認識しよう」というのが真意だったということになるのでしょうか。

1-2.受け止めと連想された出来事

 制作陣がこのような想いを持ち、シャニマスとその中のアイドルに対して真摯な姿勢で制作にあたっていてくれているというコメントを聴き、私としてはその姿勢・意思については全面的に賛同すると共に、感謝をも含んだ肯定的な意見を持っています。
 各分野の関係者がアイドル達のことを真剣に考えて素晴らしいコミュ・画像・楽曲などを生み出してくれていること。各キャストも、「自分がアイドルの限界を決めない」「あらためてダンスを習い始めた」など、アイドルを輝かせるために自らを律し、鍛錬し続けて素晴らしいステージを見せてくれていること。シャニマスに関わる人達の尽力の上にアイドルの輝きがあるのだと常々認識していますし、今回更にその思いを強めました。

 確かに、シャニマスではアイドルが別の道を歩む可能性があったことがコミュでたびたび描かれています。桑山千雪は雑貨屋で働く道を選んでいたかも知れない。幽谷霧子は医学を志し学業に専念するためにアイドル活動を断念していたかも知れない。芹沢あさひはアイドル活動以上に興味を引かれるものがあれば、そちらに向かうでしょう。ポジティブな方向だけではなく、例えばスキャンダルでアイドルを引退したり、心身の故障により活動休止を余儀なくされる可能性もあり得るでしょう(高山Pのコメントでは明示されていませんが、そのような現実に起こった事は念頭にあるはずです)。そういった諸々の可能性の中から、各アイドルの自由意志の結果としてアイドルを続けることを選択してくれている、というのは奇跡というべきことなのでしょう。

2.その上で、改めてday1の演出を見直す

 制作陣の想いに感銘を受け、シャニマス自体に対する意識も改まりました。その想いを念頭に置き、改めて5thライブ、特にday1の演出コンセプトを見直してみます。
 day2は奇跡が重なって今があり、各アイドルがアイドルを続けるということを宣言するような演出。その対比として、day1はラストライブとしての演出にしようとした……のだとしても、そうはならないだろう。高山Pのコメントと矛盾していないか。

 day2との対比を表すために、「都合よく」わかりやすい終焉をアイドル達に押し付けたのではないのか?別の道を歩むことを決めたのであれば応援するが、day1世界のアイドル達にはその道が示されているのか?「おしまいにしたくない」というアイドルの望みに反した結末を用意するのがday1世界のアイドルに対する態度なのか?
 本当に、そこに、アイドル達への誠意はあるのか。

 制作にあたっての姿勢・意思について全面的に賛同します。しかし5thライブday1の演出については、このコメントによって腑に落ちない点が新たに生じてしまった……というのが正直な感想です。

3.最後に

 シャニマス5thライブは非常に考えさせられる内容で、忘れられないものとなりました。アニメ放送後に増えるであろう歴の浅いライト層には到底耐えられない演出だったという意味で、今のタイミングでしか出来ないライブだったのかも知れません。否定的な意見も十分に理解できますし、私自身の中でも納得できる答えに辿り着いたわけではありません。
 ただ、このライブの後であっても、シャニマスとそのライブに対する熱意は変わらない。これからもライブが開催されればチケットを全力で狙い、現地参戦したいという思いはより一層強まったとさえ言えます。今まで最高のライブを見せてきてくれたキャスト・スタッフの皆さんには絶対の信頼を寄せているのだから。


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