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読書感想文『虚構の法治国家』

読んだ本のタイトル

『#虚構の法治国家』
著者: 郷原信郎 氏 と 森炎 氏

購入理由

YouTubeチャンネル「ニューズ・オプエド」 にて郷原氏が出演され。
著作をチェックして後日購入。

あらすじ・内容

初めて暴かれた「法権力」中枢の不正義! 過去の著名冤罪事件と、2014年の岐阜県美濃加茂市長事件を取り上げ、元検事と元裁判官が「権力の犯罪」に斬り込む。

(以上、bookwalkerから引用)

感想

2014年の郷原氏と森氏の対談本だった。
郷原氏は元検事。
森氏は元裁判官。
この時は美濃加茂市長の贈賄事件が話題になっており、その事件と過去の冤罪事件に類似性があるといった趣旨の本だった。

前半は過去の冤罪事件について語っていた。
冤罪を起こした検察官の名前は明記されていなかったのが少し不満。

有罪率99.9%が異常だという処から始まり、検察は独自のシナリオを作ってそれに沿うように調書を作成するそうだ。
それに従わなければ長期間拘束される。
その間、容疑者の社会的地位は下がり続け、マスコミが有罪だと判決が出ていないのに犯人として報じ、容疑者を社会的に追い込んで行く。

そのシナリオを作り、その通りにならなかった時に歪みが生じる。
普通なら修正して終わるのに、村木厚子氏、小沢一郎氏冤罪事件の時は本人や関係者に調書に署名をさせる事を強いて、その事が表に出て来なかったら、その人達は冤罪で罰せられていたのだろうと、、、

蛇足だが。
烏賀陽弘道氏の本「敷金・職質・保証人 ― 知らないあなたがはめられる - 自衛のための「法律リテラシー」を備えよ -」でも長時間の拘束から逃れる為に、嘘の調書に署名したら裁判所では認めた事になるので無罪でも有罪になると書かれていた。

そんな悪しき文化が日本の検察に残っている。
そして、そのせいで日本の検察の信用は失墜しているが改善の兆しも見えないと何とも暗く、背筋が凍るような内容だった。

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