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ヴィエラ初陣は思ったよりもホジソン?「21-22プレミアリーグ第1節チェルシー×クリスタルパレス」

さぁ始まりました!21-22シーズンのイングランドプレミアリーグ!今季ももちろん応援するのはクリスタルパレス!ヴィエラ監督を迎え、CBはほぼ総入れ替えの様相!スタメンはどうなったのかな!?ドキドキしながら22時を迎えると…

青…チェルシー
黄…クリスタルパレス(3rdのプーさんユニでした)

おおん!?し、知ってる名前ばっかりだぞ!?並びもまさかの4-2-2-2!?こ、これは…。
旧体制からヴィエラ新体制になり、期待が大きかったのは確かにあるし、去年とは違うポゼッション!なんてのも前評判であったから変化に期待した俺が悪い。急激な変化よりも旧体制へのリスペクトもあるだろうし、まずはサッカーを観てみなきゃわからん。

・ヴィエラの4-2-2-2
・守れないのは構造の問題
・配置変えがもたらしたもの
・最適解を探す旅

1.ヴィエラの4-2-2-2

・この試合で見えた特徴

「後ろから繋ぎたい」

GKのグアイタのボールタッチも見るからに増え、CBがその脇に立ちボールを受ける。SBが時にCBに並んだり、CHが真ん中に落ちたりといわゆる『後ろから繋ぐ』を展開。序盤こそ、チェルシーの選手と選手の間で受ける意識を持ちすぎて、味方選手間の距離がとんでもなく近くなってしまい、練習時の鳥籠よりも狭いのでは!?と思うほどに狭くパス回しをするもんだからこれがヴィエラ…?なんて思ったわけだけど、時間を追うとそうでもなかった。

図.1:4-2-2-2時のビルドアップ構造

ただ4-2-2-2の構造上の問題もあって、SBに展開した後にSHのところしか前進のポイントが用意できていない。縦関係になったCHへ斜めに差し込む形から前進したいのだろうけど、相手のCHの目の前のポジション取りになってしまうために消されてしまう。差し込んでもサポートは真後ろの縦関係になったCHが最も近く、前進はトップ下化したCHのターンありきになるため、チェルシーみたく縦にコンパクトなチーム相手だと詰まってしまう。出口から先へ行けなかったため、この形を継続した前半はシュート0に終わった。

「サイド誘導でSBとCHで仕留める」

守備の部分の話になる。この試合の前半は攻撃が上記の通りに上手くいかなかったので、攻守のはっきりした試合展開になった。2トップがスライドしながら相手のCHを消して、サイドへ付けさせる。FWのプレスバックとCHの寄せを利用しながら片側サイドへ誘導し、逆サイドのSHが絞ってサイドチェンジの起点となるやり直し箇所を封鎖。更に前進させて、CHの内切りプレスバックを利用しながらSBで狩り取るのが狙いと見える。

図.2:1stプレス

図.3:片側サイドに誘導

図.4:SBとCHで仕留める

2.守れないのは構造の問題

「チェルシーが上手なだけ」

こう言ってしまえばそれでおしまいなのだけれど。サイドに誘導しているため、そこから狙いを持って攻撃ができるチームにこれでは守れない。外→内を経由された後に、SBの大外を相手に取られるとハーフスペースを逆のCHが埋めねばならぬ構造になっているため、SHを引き出され、CHを引き出され、大外にボールをつけられると簡単に使われてしまう。失点するまでは時間の問題だった。CBをスライドするのか、割り切ってCHを落とすのか。はっきりとした回答を示さぬまま前半を0-2で折り返すことになった。

図.5:ここが空いちゃう

3.配置変えがもたらしたもの

55分に交代を準備すると、シュルップ→ヨアヒムアンデルセンとマテタ→ベンテケで配置を変更。

図.6:選手交代後

突かれ続けるハーフスペースに待ったをかけるべく、5バック化と中央の奇数設定。交代直後こそ中盤のスライドが整理できておらず失点を招いたが、これにより相手のプレスマークをズラすことに成功。CBが、特にグエヒが持ち上がれるようになり+1を形成。これにより横のサポートが作りやすくなり、前進の問題であったSBとCHの詰まりが解消。デイリーミッション「シュートを打て」をクリアすることになる。攻守両面に好作用をもたらした。

4.最適解を探す旅

個人的にはこの5-3-2の形の方が好きだった。ヴィエラのやりたいことはこういうことだよねってのが少しばかり見えた気がした。が、アイェウがIHに入っていたり、アンカーにリーデヴァルドとマッカーサーが入り、若いラク=サキを使わないとIHが間に合わないなど多少なり駒不足の様相も呈した。若く、能力のあるエゼやオリーセをどこに組み込むのかも今後注目していきたいところ。CHの負担は5-3-2の形で軽減できるものの、SB(WB)の負担はどちらにせよ、タスクが多少違えど変わらないわけで。

ヴィエラのサッカーにおいてはこのSBの質が高く求められそう(まだ1節だけれど)なので、このポジションの補強はクラブに求めて行くものと思われる。左SBの本職はミッチェルしかおらず、頭数を揃えるところからスタート…というのもまた辛いところではある。良い知らせを待ちたい。

船出は0-3の完敗も…

この敗戦の相手は欧州王者チェルシーである。仕方ない。無理もない。チェルシーはこの試合のパレスの弱点である大外→ハーフスペース攻略に長けたチームであり、もうこれは割り切る他にない。敗戦に目を向けるよりも、狙いを持ったゴールチャンスばかりだったことに目を向けたい。これは大きな変化であり、前を向く材料になった。

0-3の終盤、82分にザハが猛プレスをかけた後、中盤が着いて来ていないことに対し、「着いてこいよ!」とジェスチャーを送っていた。このチームは求めることができるのではないかと、そう感じさせた。まぁ…うん。あの時間に走れるほど体力を使ってなかったわけじゃないので、着いていけないのは仕方ないのだけど(苦笑)

1億と2000年ぶりに文章媒体でレビュー書いたから感触がわかんねぇ。作図が下手すぎる。申し訳ない。
ヴィエラは配置の妙も持っていそうだし、できれば5枚交代で見たかったなーとも思いつつ。どこかで来るはずの「やりたいことやっての勝ち試合」を基準に今季は継続してクリスタルパレスを書いていく覚悟。それまではリハビリがてら徒然なるままに。そんな感じで。

次節は開幕戦でアーセナルを破ったブレントフォード。屈強な男達が屈強なるサッカーを展開していた。この試合ブレントフォードの得点源になっていたセットプレー。パレスの昨季弱すぎたセットプレー守備の変化に注目。
システマチックなサッカーに対して、ブレントフォードはそんなの関係ねぇっつって大正義のロングボールを放り込んで来るので、CBの耐久力も試される。

最早、戦術の多様性のプレミアリーグ。チェルシーとは全く旗色の違うサッカーを相手にヴィエラがどう戦うのか。補強の動きも含めて、期待していきたい。

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