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スタートアップファイナンス

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スタートアップのファイナンスやIPOに関するnoteをまとめています。
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2023年12月の記事一覧

新規上場企業がデットファイナンスを利用している比率は?/2023年新規上場企業のデットファイナンス考察

「目論見書分析note」とは 目論見書分析noteは、起業家、スタートアップで働く方、スタートアップ企業の成長背景に興味がある方を主な読者として、noteを書いています。 「IPO企業は、どんな業績変化をだとってきたのか」 「過去の資本政策でどう工夫をしてきたのか」 など スタートアップ企業に関わる方・興味がある方に、ヒントになる情報を提供させて頂くことを目的としております。 ※記事の内容については個人的な感想となることを理解の上で読んでもらえるとありがたいです。 今

コロナ禍の旅行系スタートアップに何が起きていたのかをケーススタディ風に書き残しておこうと思う

少し前のことですが、2023年7月、ボーダー株式会社は、約1.2億円の資金調達を発表しました。 はじめに会社のことを紹介すると、ボーダー株式会社は、出張管理システム(BTM)という事業領域に属し、法人に対して出張の手配と管理を一体的に提供するサービスを展開しています。 https://border.co.jp/ 前回のラウンドは2020年1月でした。事業も順調に伸びており、調達も完了、ここから一気に伸ばすぞというタイミングで新型コロナウイルス感染拡大が始まりました。その後

上場して1年、どうだった?IPOのメリット/デメリット 〜noteのIPO連載最終回

noteが上場したのは、今からちょうど1年前の2022年12月21日。 これまで「スタートアップ冬の時代のIPO」と題してnoteの上場準備メンバーでIPOに関する連載をやってきましたが、今回が最終回。テーマは、「上場して1年、どうだった?IPOのメリット/デメリットは?」です。 この記事は、IRアドベントカレンダー 2023 にも参加しています。 まず、一般的に言われる上場のメリット、デメリットとして、以下のようなことが挙げられます。 上場のメリット: 上場のデメ

スタートアップがPEファンドを担いだファイナンスを実行した話

HRBrainでCFOをしている井出です。 先日プレスリリースでもご案内しましたが、欧州系のPEファンドであるEQTがHRBrainに資本参画することとなりました。日本の未上場スタートアップに外資系PEファンドが投資する事例は今までもありましたが、過半数まで取得するケースはかなりレア(もしかすると初めて?)であるという認識です。私たちは、今後5~10年スパンで成し遂げたいことから逆算して、従来の常識にとらわれない発想で考え尽くした結果、こういった座組となりました。 2021

成長戦略としてのスタートアップM&Aに関する考察_2023/12時点

10Xが運営するpodcast、10X.fmの「山田の部屋」という企画にて、直近二回に渡り、NYC在住しながら、複数の日本のスタートアップ企業のM&A・ファイナンス面の支援を行っている佐々木さんをゲストにお迎えし、前編・後編の2回で今後の日本におけるスタートアップM&Aの展望について議論させて頂きました。 このpodcastでの対話を通じて、スタートアップにおけるM&A(スタートアップが買う側・売る側双方の場合があります)は、今後のスタートアップエコシステムの進化において確