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オリジナリティをざっくり分類してみる

 こんにちは。南野薔子です。
 だいぶ前に同じネタをどこかネットで語った気もしますが、オリジナリティってものをざっくり分類できるな、という話を書いてみます。

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 いい五行歌(五行歌に限らず創作一般に云えることだと思うが)にはオリジナリティがある。これは間違いのないことだと思う。ありふれているものは、共感を多く得ることはあり得ても、いい作品として評価されるということはまずないはず。
 じゃ、オリジナリティって何やねん、ということになるわけだが、そこを深く突っ込んでゆくときりなくなるので、深遠な定義はおいといて、オリジナリティはざっくりと三つに分類できるのではと思っている。
 1題材
 2視点
 3表現
 1題材。取り上げる内容自体が珍しい、斬新、というもの。あまり人のしないような経験をしてそれを書くというのが代表的なかたちだろうか。ある種の職業詠もそういうオリジナリティにあふれていることがある。もしくは、特殊な趣味などを持っているとか。
 2視点。ものごとを独特な角度から見ているもの。機知を感じさせる歌、ユーモア系(ほのぼのからブラックまで)、皮肉や批判、格言的なものでいい歌はこの視点のオリジナリティが強いということだと思う。「それは考えつかなかったけれど云われてみればそうか!」「なるほどそのことをそういう風に見られるんだ!」という歌。
 3表現。「なるほどそれをそんなふうにうまいこといいますか!」という歌。「その比喩はすごい!ぴったりくる!」という歌。1と2は多くの読者に「知らなかった、気づかなかった」要素を強く感じさせる歌だけれど、3の場合は「同じこと感じてたけれどそれをそんなふうにあらわせるんだ」みたいなものも含まれてくる。
 といっても、もちろん実際上この三つはきれいに分かれるわけではないし、また1は2を含むことが多いし、2は3を含むことが多いと思う。
 自分がどのオリジナリティが強いかとか、どのオリジナリティを強化したいとか、考えてみるのもひょっとしたら作歌の役に立つ……かもしれない。ただ1は狙ってできる場合とできない場合とありそうだなあと思う。普段の心がけ次第で強化しやすいのは2と3なのだろうなと思う。
 栢瑚では、白夜さんがかなり1を持っていると感じる。水源純さん素音さんは2と3で唸らせてくれる歌が多いと思う。
 私の場合は1と2があんまり狙えないというか、1や2がダイレクトに出るような歌が作風ではないということもあって、3のところでいろいろじたばたしている感じかなあと思っている。ただ、幻想的な心象を書くことがわりとあって、それは現在の五行歌界ではひょっとしたら1の要素があるのかもしれない。

 オリジナリティについてはまだ書きたいことあるので、そのうち書けたらいいなと思っている。

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